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新型コロナウイルスの変異種が蔓延しているイギリスでは感染拡大が止まらず、多くの地方でロックダウンを実施。加藤勝信官房長官は12月23日に会見で、24日以降はイギリスからの新規入国を拒否するなど、さまざまな対策に乗り出している。しかし、この会見によって、菅義偉首相の〝ウソ〟が明らかになってしまったようだ。
12月21日の『NEWS23』(TBS系)では、菅首相へのインタビューを約20分にわたって放送。そこで菅首相が誤った情報を流したとして、ネット上では批判の声が殺到している。
この日の番組では、新型コロナウイルスをめぐる対応について菅首相にインタビューを行うことに。キャスターの小川彩佳は、イギリスでコロナ変異種の感染が拡大していることを受けて、菅首相にどのような報告が届いているのかを尋ねる。すると菅首相は、イギリス政府の発表を踏まえてウイルスの専門家が対応したと返答。さらに「同じように変異をしたウイルスは現時点で国内においてはない」と明かした。
続いてキャスターの星浩は、「ヨーロッパとか中東で入国停止措置をやってますよね。そこは日本はどうですか」と質問。すると菅首相は「現時点において上陸拒否対象国になってますので、特別な方に限りですよね、日本に入ってこれるのは」「1日…1人か2人だそうです」と説明を行う。
イギリスからの入国者が「1日に1人か2人」と受け取れる発言だったが、実情は異なっているようだ。加藤官房長官は23日の記者会見で、イギリスからの入国者数について11月は1日平均約50人、12月は1日平均150人と回答している。また加藤官房長官は、入国者数が菅首相の説明と食い違っていることにも言及。菅首相の発言はイギリスからの入国者全体を指すものではなく、「イギリスに滞在歴のある渡航者で陽性者数を念頭においたものと考えられる」と説明した。
菅首相の発言に困惑する視聴者たち
菅首相自身の意図は分からないが、視聴者に対してミスリードを促すものだったことは確か。ネット上では、
《誤情報を電波にのせた総理って…》
《大嘘ついてた。1日1~2人って言ってたが、大間違いだった。首相に正確な数字が把握できていないのに危機管理できるわけない》
《『NEWS23』では1日に1人か2人って言ってなかった? 1日に150人もいるんだ。ガースーはどこまで適当なの?》
《間違ったら訂正するのが当たり前、『NEWS23』でガースーの発言を訂正して下さい》
《これを放送した『NEWS23』にて、責任を持って訂正の報道をお願いします》
などと、批判の声が相次いでいる。
イギリスにおけるコロナ変異種の流行には大きな注目が集まっており、インタビューで入国者数を質問されることは事前に想定できていたはず。首相という立場でありながら、正確な受け答えができなかったことについて、不満を覚える人は多いようだ。
結果として国民の不安を煽ってしまった、菅首相の発言。加藤官房長官に釈明を任せるのではなく、自ら発言の意図を説明してほしいものだが…。
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