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“神は細部に宿る”。ドイツの建築家ミース・ファンデル・ローエの言葉で、優れた芸術作品や仕事というものは、細部まできちんと仕上げてあり、その細部までにこだわったディテールこそが、作品や仕事の本質、仕上がりを左右するという意味だ。
「これは人間のスタイリングにも当てはまります。スーツやネクタイにこだわるビジネスマンは少なくありませんが、靴や傘といった細部への目配りはできているでしょうか。靴や傘に人の目は行かないと思ったら大間違いで、こうした細部こそが印象を決定付ける重要な役割を担っているのです」(服飾評論家)
靴はその人の生活習慣レベル、考え方を最も表すといわれている。スーツが信用、信頼のイメージを与えるアイテムであるのに対して、靴は行動力や自己管理が行き届いていることを相手に印象付ける重要なツールと言えるのだ。
「靴の文化圏であった欧米では、日本のように靴を脱ぐ習慣がないため、“靴は体の大切な一部”だと考えられてきました。だからこそ靴は、相手に伝わる要素の比重が高いのです」(同・評論家)
細部へのこだわりとこまめな手入れが大事
一方で、傘は雨の日になると、至る所にビニール傘が溢れ出る。急に雨が降ってきた場合などにはコンビニで購入できるし、店舗での貸し出しサービスがあったりと、非常に便利には違いない。だがその半面、扱いはつい適当になりがちだ。どこかに置き忘れても、また買えばいいやと考えてしまうので存在が軽い。傘は天下の回り物といわれてしまうくらいだ。
JR東日本で、電車のなかや駅に忘れられる傘は年間30万本にも上る。しかし取りに来た人は1%もいなかったというデータがある。
「ファッションセンスとは、限られた人の持つ才能ではなく、誰でもちょっとの努力で磨くことができるものです。くたびれた感じのおじさんから、重厚感と上質感のあるビジネスマンに変身するには、靴や傘など、細部のディテールへのこだわること。誰でもできるちょっとしたことで、印象を変えることができるのです」(同・評論家)
高級品にこだわる必要はない。手入れをきちんとすれば、見た目は大きく変わる。
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