ガチャガチャ創世記の最高にイカす「ガイコツ」

「元祖クールジャパン」再検証

~ファイル45【ガイコツのチープトイ】~

昔は駄菓子屋やパン屋などの店頭脇に置かれていたカプセルトイ…。当時の子どもであった僕らからは「ガチャガチャ」と呼ばれたおもちゃの自販機ですが、いまや駅やスーパー、観光地や博物館、動物園、空港などなど、どこに行っても自販機を見掛けます。おそらくこんな国はほかにないのではないでしょうか?

1965年、『ペニイ商会』という会社が1930年ごろからあったアメリカのガムボールの小型自販機に、香港から輸入した小さな玩具を入れて販売を始めたことが日本におけるカプセルトイの起源だそうです。

このころのカプセルの中身は、時計や指輪、麻雀のパイ、まぶたが開閉する目玉、怪奇な面のキーホルダーなど、実に個性的な面々です。

『アサヒグラフ』(朝日新聞社)1966年1月28日発行号より

カプセルに入れられた小型玩具の、何が出てくるか分からないというギャンブル性を持たせたコンセプトは、1回10円という子どもの小遣いで買える価格設定も相まってバカ受け。

当時5歳だった私が特に気に入ったのが、画面の中央の左右にある、目が丸いガイコツのおもちゃでした。それはガイコツというにはやや抽象的な造形をしていて、ロボットのようでもあり、古代アステカ文明の仮面のようでもあります。

ガイコツの口を手で開けると、テコの原理で目玉と舌が同時にニュッと飛び出す仕掛けなのですが、コレが実にユーモラスで、本来コワイはずのガイコツとのアンバランスさが何ともおかしいのです。わたしはこの香港製のチープトイにがぜん魅入られてしまい、いつでもポケットの中に忍ばせ、ときどき取り出しては遊んでいました。

あれから50年近くが過ぎました。世話しない日常に埋没して心が荒んだときなど、いまもこのガイコツをときどき取り出します。「人生なんて骨になるまでの一瞬の戯れさ」ガイコツにそう励まされているような気がして、また頑張れるのです。

(写真・文/おおこしたかのぶ)

 

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