昭和のころにもあった夏の風物詩的「携帯扇風機」プラモデル

いまから40~50年ほど前、夏場ともなると、模型店や駄菓子屋には乾電池とモーターを内蔵して実際に風を起こすことのできる“扇風機”のプラモデルが決まって並んだものでした。

なかでも値段が安く、ポケットに入るほど小型な『ミニ扇風機』のプラモデルがわたしのお気に入りでした。

ミニ扇風機は電池収納を兼ねたボディーの先端に折り畳み式のプロペラがついていて、それが回転して起こす風で涼もうというものです。

『強力小型扇風機ミニファン』(サンキット 1968年ごろ 50円)

これが当時価格50円で買えた最もオーソドックスなスタイルの『ミニファン』という商品です。ただし、モーターと電池は別売りですので、結局は総額200円ほどかかりました。

なぜ、こんなものを当時の子供たちは買い求めたのか? 答えは単純明快。そのころ、普通の家にはエアコンなんてなかったのです。涼を取る家電といえば扇風機のみ。しかも一家に1台。

「自分専用の扇風機が欲しい! 思う存分風に当たりたい!」この子供たちの切なる思いに応えてくれたのが“ミニ扇風機”だったのです。

よほど人気があったのでしょう。各社からいろいろなタイプのミニ扇風機が発売されました。

『POCKET ライトファン』(童友社 1968年 250円)

これは羽根の反対側に豆電球とレンズを仕込んであり、懐中電灯にもなる『POCKET ライトファン』です。暗い夜道を歩くときにも使えて、一見便利そうに見えますが、懐中電灯と扇風機の同時使用は配線の都合上できませんでした。

『ウルトラファン』(日東 1974年 300円)

これはアタッチメント方式でプロペラの代わりにサイレン(笛)を付けることが可能なタイプの『ウルトラファン』。痴漢の撃退や、災害に遭ったときに持っていたらひょっとして役立つかもしれません。

『花の香りのハンドファン ジャスミン』(クラウン 1982年 800円)

このファンタジックな雰囲気の『ジャスミン』は、何と芳香剤付き。ファンを回すと辺りにいい香りが漂うという優れもの。女の子に受けようとした商品なんでしょうね。

わたしが一番気に入っているミニ扇風機の箱絵はこちらです。

『ヤマダ ハンディ ファン』(山田模型 1972年 300円)

ドラムの練習に熱中する黒人青年。そこに差し出されるガンタイプの『ハンディファン』。心温まる一瞬を重厚な油彩タッチで描いています。

ところで、小学生当時のわたしはミニ扇風機をポケットに入れて学校に持っていっては「あ~、涼しい~!」などと女の子の前で得意がったものでした。しかし、実のところは大して涼しくありません。ただの見栄っ張りだったのです。

そんな夏の風物詩的なプラモデルとしてのミニ扇風機は、昭和の時代とともに模型店から姿を消しました。

しかし、USBから電源を取るパソコンユーザー向けのガジェット的扇風機や、ミッキーやキティちゃんなど人気キャラクターを盛り込んだ子供向けの玩具などとして、その遺伝子はいまも脈々と生き残っています。

(写真・文/おおこしたかのぶ)

 

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