昭和の子供が「命の尊厳」を学んだ「昆虫採集セット」

夏真っ盛り…昆虫を求めて野山を駆け回った少年の日々を懐かしく思い出す人も多いのではないでしょうか。

1970年代あたりまででしょうか。“昆虫採集”は夏休みの遊び、そして自由研究の定番でした。わたしがその当時通っていた東京都北区の小学校でも、自分で捕まえた昆虫を木箱や菓子箱などに配置した昆虫標本を、夏休みの自由研究の成果として提出する生徒はどのクラスにもふたりや3人はいたかと思います。

と言っても、都内ですからカブトムシやクワガタなどの“スター昆虫”は捕まらず、比較的捕まえやすかったセミやチョウ、バッタ、カナブンなどで何とか構成するしかありませんでした。

わたしも夏になると駄菓子屋などで売られていた安価な『昆虫採集セット』をよく買い求めたものです。ただし、標本を作るほど捕まえることはできませんでしたが…。

こちらは駄菓子屋ではなく、文具屋やデパートなどで売られていたと思われる、ちょっとデラックスな高学年用向けのものです。

『昆虫採集セット』には、注射器に殺虫液や防腐液、ナフタリンなどの薬品、ピンセット、虫ピン、虫メガネなどが入っていました。たいてい殺虫液は赤、防腐液は青色に着色してありましたが、実はどちらも同じメタノール入りの水だったとか。大人になったいまから思えば、こんな危険性のあるものを駄菓子屋のような食品と一緒の店頭でよく売っていたものだと思います。

都市化による自然環境破壊によって、昆虫たちはわたしたちの周りから徐々に消えてゆき、注射針を子供が扱うのは危険だということで、やがて昆虫採集は奨励されなくなりました。

確かに危険ではありましたが、注射針を昆虫に刺し、殺虫液を静かに注入していくと、暴れていた昆虫がだんだん手の中で静かになっていく…あのときのゾクゾクした感じはいまでも忘れることはできません。

「貴重な昆虫が減る、生き物を殺すのは野蛮である、採集よりも観察するのが大事」などの理由もあったそうですが、子供たちは昆虫の小さな命と関わり合うことで、生命の尊厳を学んだはずです。

最近では注射器・虫ピンなど使わず、コーティング加工して作る新しい昆虫標本作成キットも発売されています。願わくは、都市の緑化と共に昆虫が増え、学校の授業で適切な指導のもとに全国で昆虫採集が復活してほしいものです。

(写真・文/おおこしたかのぶ)

 

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