都民ファが都議選で唯一敗れた選挙区「島部選挙区」とは

東京都島嶼部上空 Nori / PIXTA(ピクスタ)

7月2日に投開票が行われた東京都議会選挙は『都民ファーストの会』(以下=都民ファ)が大勝を収め、自民党は都議選史上例のない大惨敗という結果に終わった。しかし、それとは“真逆”の結果を残した選挙区がある。

都議選の“一人区”は7区あるが、そのうちの6選挙区で都民ファの公認候補者が2位候補に大差をつけて当選した。そのなかで唯一、自民現職にダブルスコアの大差で敗れたのが『島部選挙区』である。

同選挙区は大島町、八丈町、利島村、新島村、神津島村、三宅村、御蔵島村、青ケ島村、小笠原村の2町7村で構成されるが、島嶼(とうしょ)都民が生活する島は、大島町のある北部の伊豆大島から南部の小笠原村のある母島まで1000キロメートル以上もの距離に渡って点在している。1000キロという距離は、北海道―東京間、あるいは東京―九州間の距離だ。

しかも東京から島、島から島間の移動手段は船舶か航空機しかない。極端な話、最南端の小笠原村に行くには9日間の選挙期間中、6日間を費やさなければならないので、小池百合子都知事が候補者の応援に駆け付ける余裕はなかったことも敗因のひとつではある。

 

本土都内と温度差のある島嶼

「同選挙区は古くから大島と八丈島の争いが続いています。それぞれの島を代表する形で出馬する候補は、概ね交互に都議会に輩出されるという歴史がありました。そこで都民ファが他選挙区の新人に先駆けて公認を決めたのが、八丈町議を辞職して都議選に臨んだ山下崇氏でした。しかし山下候補の得票数は4100票と、自民党の三宅正彦候補の8804票に大差を付けられて敗北を喫したのです」(都議会に詳しいライター)

このライターによると、山下候補の約半分が都民ファを支援する公明党・創価学会の票であったことを考えると、同党は実質2000票しか得票できなかったことになるという。

「敗因の第一は組織力でしょうが、候補者に組織力がなく、知名度がないのも同党新人候補全員に共通していたことでした。それでもほかの一人区では全員当選しているのです。ムードや雰囲気に流されやすい都内は、都民ファの圧勝で当然です。また1968年に本土復帰を果たして以降、島に移住してきた新島民の割合が高い小笠原村にも同じ傾向が見られます。ほかの選挙区と島部選挙区との決定的な違いは、大票田の八丈支庁(八丈町、青ヶ島村)や伊豆大島の大島町は、地理的なハンディを負い、明日の生活の心配をする人々が居て、冷静に政治の価値を判断した結果でしょう」(同・ライター)

“東京大改革”を掲げる都民ファは、『国民ファースト党』として国政進出も取り沙汰されている。島嶼住民はこの東京大改革に対し、投票行動によって抵抗したわけで、東京都政が国政に変貌した場合、こうした抵抗勢力にどう与していくか注目される。

 

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Nori / PIXTA(ピクスタ)

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