【吉見健明のダッグアウト取材メモ】掛布阪神の時代は必ずくる!

一般社会では、女性問題よりも、借金及び金銭トラブルのほうが問題視されるケースが多いといわれている。厳しい現実を知ってか、ファンから「監督待望論」があるにもかかわらず、掛布は自らの夢を封印している姿勢を崩さなかった。

私は大阪スポニチ時代、掛布の結婚問題を追っており、早い段階で交際相手(現夫人)を把握していた。二人が婚約したことも、夫人の父親と親友だったK氏から情報を得ていた。

しかし、結婚報道は各スポーツ紙同時発表。諸般の事情があり、私はスクープを取り損ねてしまった苦い経験がある。

頑なに「監督待望論」から身をかわした掛布のスキャンダルといえば、1987年に起こした酒気帯び運転事故だ。

当時の阪神電鉄社長だった故久万俊二郎オーナーは「うちの四番は欠陥商品。野球選手以前に人間として失格」と罵倒した。

この頃から掛布と久万オーナーの溝は深まり、それは最後まで埋まることはなかった。久万オーナーの「私の目の黒いうちは、彼(掛布)を絶対に阪神の監督にしない」という発言はあまりにも有名だ。

紆余曲折あるが、現役引退後(88年)の掛布は現場から遠ざかり、まるで坂道を転げ落ちていくような私生活だった。マスコミでも報じられた自宅差し押さえと競売、実質経営する会社倒産など金銭問題が次々浮上した。