昭和の子供たちの「猟奇的好奇心」を満たしたミイラ特集

トム・クルーズ主演のミイラ映画『ザ・マミー 呪われた砂漠の王女』が好評上映中だ。ミイラは欧米ではドラキュラ、フランケンシュタイン、狼男に次ぐ不動の人気モンスター。しかし、日本ではミイラは怪物というより、偉いお坊さんの即身仏というイメージが大きいかもしれない。

1960~1970年代、ミイラは頻繁にマスコミに登場した人気コンテンツだった。干からびた骸骨といえど、ぶっちゃけ死体だ。死体が人々の目に触れることがご法度の時代、人々の猟奇的なものへの好奇心を満足させるにはミイラはもってこいだったに違いない。

子供向けメディアでは『少年マガジン』、『少年キング』などの週刊漫画誌がミイラ特集をたびたび組んでいた。そして、競い合って日本や世界のミイラを発掘し、スクープ合戦を行っていた。

まずは日本国内のミイラを見てみよう。

この『週刊少年マガジン』(講談社)の1968年2月11日号に掲載されたカラーグラビアでは、日本の有名な即身仏を大迫力で紹介。鬼気迫る恐ろしさだ。当時これを見た子供はかなり驚いただろう。

これは当時、マスコミに引っ張りだこだった新潟県柏崎市の妙智寺に保存されている人魚のミイラ。その真偽はいまもって謎である。(『週刊少年マガジン』1968年3月31日号より)

続いて世界のミイラ。

ミイラといえば、古代エジプトのものが有名だが、実は世界のあらゆるところでミイラは作られていた。それだけ人間というものは“この世”に強い執着があるのだろう。人間の煩悩の深さがミイラの怖さなのかも知れない。

これはアメリカの博物館に展示されていた、古代インカ人やインディアンのミイラを、編集長自ら撮影したもの。ミイラ企画は大当たりだったようだ。(『週刊少年マガジン』1967年8月13日号より)

この図解は熱帯の乾いた地方のものという説を覆したアリューシャン列島のミイラ。ひからびた南方のミイラと違って、まるでろう人形のようなのだとか。(『週刊少年キング』=少年画報社1968年3月3日号より)

週刊少年キングのこの同じ号では、古代エジプトの“ミイラ製造所”の模様も紹介された。古代エジプトでは死んだらミイラになるのが当たり前だったというのだから、まさにミイラ天国だ。しかし、ミイラ製造人に支払う料金によって、その出来映えに格段の差があったというから、何とも世知辛い話だ。

 

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