鄧小平の孫娘の夫まで摘発!中国腐敗撲滅の真相 ~その1~

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ここ数年、中国で大手企業の経営者や大物実業家が突如として失踪する事件が相次いでいる。その背景には、習近平国家主席が進める“腐敗撲滅”や2015年夏に起きた中国の株式市場暴落に対する政府の捜査が絡んでいる。2016年にはいったん収束するかに見えたが、2017年秋の共産党大会を前に、再び摘発が強化され出した。

直近では今年6月、アメリカ・ニューヨーク市の高級ホテルを構えるホテルチェーン『ウォルドルフ=アストリア』の買収をした大手保険会社『安邦保険集団』の呉小暉会長が姿を消したと伝えられた。その直後に安邦保険集団は声明を出し「個人的な理由により、会社のトップの座を降りた」と発表している。

安邦保険集団の資産は2420億ドル(約27兆円)に達し、オランダのヴィバント、韓国のトンヤン生命、中国民生銀行や中国農業銀行の大株主として君臨している。

呉会長は2016年11月、アメリカのドナルド・トランプ大統領の愛娘クシュナーと面会したことも伝えられ、同集団の在米資産は60億米ドル(約6699億円)という見積もりもある。ニュージャージー州の『トランプタワー』分譲案件をクシュナーの親族が「永住ビザに有利」と売り出していたため、安邦集団が中国人投資家を呼び込んで購入させ、アメリカ国内でも中国の“アメリカ買い”として問題視されていた。

「6月14日、香港A株に上場されている安邦保険の株価が暴落し、45億2400万元(邦貨換算728億円強)が、たった1日で水の泡となってしまっています。中国全土の保険契約者は約3500万人いますが、投資家ともどもパニックに陥りました。買収したアストリアホテルだけでなく、スターウッド・ホテルチェーンなどの在米資産の売却もささやかれ出しています」(在日中国人ジャーナリスト)

呉会長のプライベートを見てみると、3回も結婚している。

「初婚は出身地の温州市長(当時)だった劉錫栄の娘、再婚は陳毅(元元帥、革命の元勲)の娘である陳小魯。そして再々婚は毛沢東後の最高指導者である鄧小平の孫娘の鄧卓苒です。保険契約者は、安邦保険が幹部子女の“紅二代”であることに信用を置いていましたが、いまではプレミアムの支払いが行われるかどうか疑心暗鬼に陥っています。銀行なら取り付け騒ぎに発展しかねない事態です」(同ジャーナリスト)

嫁の威光も、生き馬の目を抜く中国経済の前には役に立たなかったようだ。

その2へ続く)

 

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