鄧小平の孫娘の夫まで摘発!中国腐敗撲滅の真相 ~その2~

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その1からの続き)

大手保険会社『安邦保険集団』の呉小暉会長が6月9日に姿を消した。中国メディアが驚いているのは、呉会長は鄧小平の孫娘である鄧卓苒と結婚して、特権階級“紅二代”に成り上がっており、この特権階級であるエスタブリシュメントには捜査の手が及ぶことは絶対にないとされていた。だが、王岐山が主導する“反腐敗キャンペーン”チームが、聖域にメスを入れた。

単に保険会社のトップを拘束というだけではなく、北京・中南海の権力闘争から派生した汚職事件摘発であり、これから株価崩落がさらに下落方向へ突き進めば、バブル崩壊の序曲が奏でられることになる。過去に起きた主な大物経済人の失踪事件は以下の通りだ。

  1. 中国人の富豪、肖建華氏=2017年1月下旬、香港にあるフォーシーズンズ・ホテル内の自室で拘束され、中国本土へ連行された。肖氏は銀行や保険会社、不動産開発業者などを傘下に置く持ち株会社「明天グループ」の経営者。失踪から数日後、香港の新聞1面の広告欄に、肖氏の名で声明が掲載された。声明によれば、同氏は「海外で療養中」で、回復すればマスコミの取材に応じる意向を示した。しかし、5カ月たった現在も、同氏の身に何が起きたのかは分かっていない。
  2. “中国のウォーレン・バフェット”とも呼ばれる郭広昌氏=クラブメッドやシルク・ドゥ・ソレイユ、トーマス・クックなどに出資する中国の複合企業『復星集団』の会長で、2015年末の数日間、突如として行方が分からなくなった。これを受けて株式市場では同社株の取り引きが中止されている。復星集団は郭会長が復帰したあとの声明で、郭氏は当局の捜査に協力していたと説明した。同社の業績に大きな影響は出ていない。
  3. アパレル大手、美特斯邦威の創業者で億万長者の周成建氏=2016年1月に失踪。周氏が当局に拘束されたと報じられると、同社株の取引は中止になった。周氏は10日後に突然業務に復帰。同社は周氏が失踪した経緯について、詳しいことを明らかにしていない。

これらの人物が失踪したあいだに、一体何が起こったのか。実際に姿を消した大物経済人の口は重いようだ。中国バブル時代の英雄たちの連鎖的な蒸発は、これからの中国経済にどのような影響をあたえるのだろう。

その3へ続く)

 

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