暗闇で妖しく光る「夜光おばけ」と戯れた夏の夜

1960~1980年代ごろ、夏になると決まって駄菓子屋に並んだ『夜光おばけ』という駄玩具がありました。袋を束ねた中から1枚引き抜く、いわゆる“引きモノ”です。これが欲しくて夏が待ち遠しいほど、わたしはこのおもちゃが好きでした。

なかに入っている紙には頭や胴体、手足などがバラバラに印刷されており、あらかじめ入れてある切り込みをもとに手で切り抜き、台紙から外します。袋から出した状態はこんな感じです。

そして、各パーツを胴体に差し込んでいくと人形の完成という、非常にチープなおもちゃです。

特徴は何と言っても、夜光塗料が人形の輪郭上に塗ってあること。暗いところでホタルのように淡い感じでボ~ッと光るのです。

『ウルトラマン』や『オバQ』など人気キャラクターの夜光人形は通年で売られていましたが、不気味に光るということから、やはり夏向けの“おばけ”が一番しっくりきます。電気を消した真っ暗な部屋で、この人形たちと戯れることは夏の夜の密かな悦びでした。

こちらは上で紹介したものよりも現代的アレンジでポップになった『夜光おばけ』。怖いというより、完全にギャグタッチで笑いを狙っている感じです。マジなおばけは徐々に子供たちに受けなくなっていったのかもしれません。

夜光塗料は、暗いところでも見えるように時計の文字盤などに使用された自発光物質です。1900年代初頭に発明され、1960年代までは放射性物質であるラジウムが原料として使用されていました。もちろん、現在では放射性物質が含まれる自発光物質は使われていません。

手元にある1960年代後半ごろに玩具店や模型店で売られていた夜光塗料には《よくひかるラジウム》と書かれていますから、もしかしたら古い『夜光おばけ』にはラジウムが使われていたかもしれません。ゾ~ッとする話ですなぁ~。

(写真・文/おおこしたかのぶ)

 

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