昭和にあった「秘境」という男のロマン

夏になると、海が恋しくなる人は多いのではないだろうか。南洋に浮かぶ島、照り付ける太陽、水平線まで見える開放的な海。日本人は明治時代の昔から南洋に憧れを抱き、戦後は高度成長を背景に“秘境ブーム”が起こった。秘境こそは男のロマン! という時代がかつてあったのだ。

男の開拓者精神を刺激した専門雑誌も、数多く世に出ていた。この『別冊実話特報』は、双葉社より1950年代後期から発行されていた猟奇的秘境雑誌だ。《20世紀を嘲笑するコンゴーの呪術国》、《恐竜が棲むアマゾン奥地の“神の沼”》など、その目次だけを見てもいかがわしさが伝わってくる。虚実混交とした記事が多く、現在も発刊されている『ムー』の先駆け的な存在だ。

『世界の秘境』は双葉社より1960年代中期から1970年代にかけて、上記の別冊実話特報を引き継ぐ形で出版されていた模様。旅行ガイド的な側面が強い。

秘境が魅了していたのは大人だけではない。昭和の初めごろから少年たちを虜にしたのは、熱帯秘境やジャングルだ。ターザンのような密林の王者になりたいという願望は、昭和の子供に共通するものかもしれない。1951年より経済産業新聞に掲載された山川惣治の絵物語『少年ケニア』は大人気となり、映画やドラマ、漫画になった。エキゾチックな山川の絵は子供たちのプリミティブな欲望と冒険心を刺激した。

1960年代には、怪獣、妖怪、SFなどとともに、少年漫画雑誌の表紙や誌面を賑わせていたのが、秘境とそこに生きる人々の奇習だった。

当時の少年漫画雑誌が、科学万能の未来社会を提示する一方で、このような土着的で猟奇的な風俗を特集していたことは興味深い。子供たちにとっては、宇宙も秘境も冒険心をくすぐるということでは同じだったのかもしれない。

こちらは『週刊少年キング』(少年画報社=1968年12月15日号)の特集記事。見るからに恐ろしい形相で、もう完全にプレデターのような扱いだ。

目を食べると知恵が付く、脳を食べると勇気が湧く、じん臓を食べると楽しくなる…。カニバリズムを知らない子供にはショッキングな記事。

《食人種の人間料理法》はコミカルに描かれていて、現在では少し悪のりが過ぎるように感じる。おおらかな時代であった(『週刊少年キング』=1968年5月5日号より)。

いまや秘境は、タレントがテレビ番組の企画で取材に行く場所になってしまったが、当時は宇宙に匹敵する謎と好奇に溢れた場所だったのだろう。

 

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