大谷翔平と松井秀喜の“決定的な違い”…二刀流で活躍も「勝利に導けてない」 

大谷翔平と松井秀喜の“決定的な違い”…二刀流で活躍も「勝利に導けてない」

画/彩賀ゆう  (C)まいじつ 

今シーズン、打者としてホームラン王争いを独走する『ロサンゼルス・エンゼルス』の大谷翔平選手。7月20日時点で34本のホームランを放つなど、規格外の活躍を見せている。同じくメジャーで30本以上のホームランを記録した松井秀喜氏と同タイプの打者としてしばしば比較されるが、松井氏とは一体どんなバッターだったのか。

松井氏は〝ゴジラ〟という愛称で知られ、2003年に鳴り物入りで名門『ニューヨーク・ヤンキース』に入団。同年4月8日、本拠地・ヤンキースタジアムで行われた『ミネソタ・ツインズ』戦で、メジャー初本塁打でいきなり満塁ホームランを放ち、スタンディングオベーションを受ける鮮烈デビューを飾った。

この年、1年目からいきなりワールドシリーズに出場すると、シリーズでは日本人初のホームランを記録。さらに2009年のワールドシリーズでは「13打数8安打3本塁打8打点」と大暴れ。チームに9年ぶりとなる世界一をもたらし、日本人初のワールドシリーズMVPにも選出された。

ワールドシリーズMVPなど輝かしい成績を残した一方、バッターとしては、日本時代の輝きを失っていたとも囁かれていた。その原因とも言われるのが、メジャーリーグ特有の〝動くストレート〟。松井氏はこの球に苦戦を強いられ、パワーヒッターから中距離ヒッターへとスタイルを変えざるを得なかったという。

「大谷選手も、エンゼルスに移籍した当初は、この〝動くストレート〟に苦戦。ですが、中距離ヒッターにスタイルチェンジした松井氏とは違い、大谷はパワーヒッターのまま環境に適応したのです。松井氏でも敵わなかったメジャーのピッチャーと力勝負できているのは、まさに〝怪物〟と言っていいでしょう」(元スポーツ紙記者)

松井氏の活躍は環境に恵まれていただけ!?

一方で、松井氏と大谷との違いにも注目が集まっている。

「大谷選手は二刀流として活躍する一方で、チームを勝利に導けていないという声がよく聞かれます。選手層や打順の関係もあり、大谷選手1人の力ではチームを常勝軍団へ導くのは難しいのかもしれません。その点、松井氏はヤンキースという名門チームで、当時は化け物バッターも多数在籍していました。環境の差は歴然です」(同記者)

当時、松井氏の回りを固めていたのは、長年ヤンキースのキャプテンとして活躍した名手デレク・ジーターや〝Aロッド〟の愛称で知られるアレックス・ロドリゲス。後に『シアトル・マリナーズ』と10年総額2億4000万ドルという前代未聞の大契約を果たしたロビンソン・カノなど、数々のスター選手に恵まれていた。

「弱小チームの運命を一身に背負っている大谷選手とは違い、松井氏は名門チームというプレッシャーはあれど、スター選手に囲まれていたため伸び伸びとプレイできたのではないでしょうか。現在、エンゼルスは大黒柱のマイク・トラウトが怪我で離脱しているので、大谷選手への負担はより大きいと思います」(野球評論家)

とはいえ、松井氏がヤンキースに多大な貢献をもたらしたのは事実。大谷もチームの大黒柱として、優勝に導いてもらいたいものだ。

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