「UFOブーム」と「超合金ブーム」が合体した大傑作玩具

1960年代までは、金属製無垢材の男子向け玩具といえば『ベーゴマ』と『ミニカー』でした。原始的な鋳物の技法で作られるベーゴマに対して、ミニカーは開発費のかかる精密な金属型に溶けたアルミニウム・亜鉛・銅などの合金を高圧で注入し、迅速に凝固させ取り出す“ダイカスト法”で成形した複数の部品を組み合わせて作るので、小さな割には高級な玩具でした。

このダイカストを実在の車にだけではなく、『バットマン』や『サンダーバード』、『謎の円盤UFO』など、人気キャラクターものに応用したのがイギリスのコーギー社です。

1970年代に入り、日本の玩具メーカーもようやくキャラクターものの金属製ミニカー市場に参入します。まず、先鞭を付けたのはエーダイ社の『グリップキャラクター』シリーズで、サンダーバードのメカを英国産のものよりも小型にし、安価に販売して成功。次にバンダイの系列会社ポピーが『ポピニカ』シリーズと銘打って『仮面ライダー』のサイクロン号などをミニカー化し、大ヒットとなります。

その“金属+キャラもの路線”を、さらに複雑でパーツ構成も多いロボットで挑戦し、アニメ設定のまま『超合金』というネーミングで1974年初頭に発売したのが、ポピーの『超合金・マジンガーZ』でした。

これまでのロボット玩具にはない、手のひらに乗るサイズでズシリと重く冷たい感触は、たちまち子供たちを魅了。超特大ヒットとなり、今日まで続くロングセラー商品に大化けしました。

このアイデアがビッグバンとなり、以後、各社から“〇〇合金”と名乗った類似品が出るわ出るわ。一大合金ブームが巻き起こったのです。

1970年代中~後期の合金玩具ブームと同じころ、日本では空前のUFOブームの真っただ中。この2大ブームに乗じてもうけようと各玩具メーカーが次々とUFOの合金玩具を発売します。

一番力を入れていたのが中嶋製作所でした。『ウルトラ合金UFOシリーズ』と銘打って3種のUFOを発売。

1号は斬新なデザインの葉巻型。小型円盤発射機能付き。箱には《葉巻型円盤》とありますが、完全に語義矛盾しています(笑)。

2号は外側の合金部がコマのように回転する機能と小型円盤発射ギミック付き。

3号は2号と同じ回転ギミックとミサイル発射機能付きです。

極め付きはこの『UFO秘密基地』。当時はやっていたロボットアニメには欠かせなかった“秘密基地”のアイデアをいただいたこの商品は、円盤発射装置、点滅警報ランプ、発光するスクリーンなど意欲的なギミックが満載。この時期の合金玩具の集大成的な傑作に仕上がっています。

他社も負けていません。サクラからは仕込まれた電球により発光する『強合金 光るUFO』が。そういえばこの会社、電球で光る合金玩具ばかり発売していました。

タカトクからは台座の上でコマのように回転し、側面に《アダムスキータイプ》の文字が書かれたちょっとマニアックな『合金Z UFOX-1』が発売されています。

宇宙人から請求されない限り、UFOには著作権料は派生しませんから、メーカー側としてはオイシイ商売だったはずですが、果たしてキャラの著作権料が価格に上乗せされた人気ロボットの合金玩具と比べて、どれだけの売り上げがあったのか、気になるところです。

(写真・文/おおこしたかのぶ)

 

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