杭打ちデータ偽装、解決へ…国交省すら「及び腰」

データの流用が次々と発覚している中、国土交通省は元請け業者による現場立ち会いをルール化する方針を打ち出した。杭が固い地盤に達しているかどうかを元請けに確認させ、施工管理に責任を持たせるのが狙いだという。

「まさか」と耳を疑うかもしれないが、ゼネコンなど元請けの下に多数の下請けが連なる多重構造が構成されているにもかかわらず、元請けの立ち会いがルール化されていなかったのだ。

実際、偽装問題の発端になった横浜市都筑区のマンション(4棟705戸)では、元請けの三井住友建設は1本目の杭打ちにこそ立ち会ったが、それ以降は「現場を見回る程度だった」(関係者)とされる。要は性善説に立った施工管理がまかり通ってきたことになる。どおりで旭化成建材のみならず、ジャパンパイル、三谷セキサン、前田製管など杭打ちデータの偽装や改ざんを行っていた会社が相次いだわけだ。

今回の国交省の動きを後押しした、ある事件がある。舞台となったのは横浜の傾斜マンションをめぐって閉会中審査となった12月3日の参議院国土交通委員会だ。

杭打ち偽装の原因について三井住友建設が「データを改ざんした旭化成建材の施工ミス」と主張したのに対し、旭化成側は「杭が短いのは三井住友の設計ミス」と主張し、双方が一歩も引かなかった。自社の責任を認めれば、建て替えや引っ越しなどの費用負担がより重くのしかかる。それを避けるべく、責任逃れに汲々としたのだ。