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アントニオ猪木参議院議員が9月7日から北朝鮮を訪問している。6日午後に経由地である中国の北京に到着した猪木議員は「交流や話し合いをせず、圧力だけでは効果がない」と発言し、滞在中は朝鮮労働党幹部らと会談をする予定だという。
「もともと猪木氏は北朝鮮から9日の建国記念日に招待を受けていました。昨年も同時期に訪朝していますが、今年はアメリカといつ戦争になってもおかしくないほど緊迫している時期です。無所属議員の個人的な外交とはいえ、相変わらずのスタンドプレーには批判が集まるでしょう」(全国紙政治部記者)
実際に猪木議員が訪朝を予定していることについて、菅義偉官房長官は4日の記者会見で「すべての国民に北朝鮮への渡航の自粛を要請している。この政府の方針を踏まえ、適切に対応すべきだ」と述べ、訪朝見送りを求めていた。だが、猪突猛進の猪木議員にとっては馬耳東風だったようだ。
今回、32回目の訪朝となる猪木議員だが、北朝鮮との関係はかなり濃密だ。1995年に日米のプロレスラーや芸能人が参加する祭典を平壌で開催したこともあり、以降はスポーツを通して文化交流を続けてきた。その功績により、2010年には同国から親善勲章第1級を授与されている。また、金正日総書記が死去した際は、トレードマークの赤いマフラーではなく黒いマフラーを身に付けて朝鮮総連を弔問し、肖像画の前に献花するなど、思い入れもかなり強いようだ。
訪朝のきっかけは師匠の娘の存在
「猪木氏が北朝鮮を訪れるようになったのは、プロレスの師匠である力道山の娘が北朝鮮にいるというスポーツ紙の記事を見たことがきっかけです。娘さんの夫は北朝鮮の国家体育委員長で、猪木氏が訪朝すると多くの政府要人が歓迎してくれたそうです。猪木氏は自著で《南北が統一されるとしよう。どうなるか。人口約七千万の国が、東アジアに突如として誕生することになる。もちろん、東西ドイツ統合のように、いろいろ問題は出てくるだろう。だけど、この統一国家は、重工業やハイテク産業と人も含めた資源が合体し、かなり大きなポテンシャルを秘めた新しい国になる》と述べています。昔から統一を見据えた交流を進めているのでしょう」(芸能記者)
猪木議員は1990年にフセイン政権下のイラクで『平和の祭典』を行い、このイベント後に在留日本人と全人質が開放されたという実績もある。国会議員である以上、その行動には慎重さと責任も求められるが、やはりその行動力と実績は認められるべき部分でもあるだろう。
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