月面着陸以前に子供たちが熱狂した「宇宙ブロマイド」

1992年9月12日、毛利衛宇宙飛行士がスペースシャトルに乗り込み、日本人として初めて大気圏外での活動に成功しました。日本宇宙フォーラムでは9月12日を『宇宙の日』、9月初旬から10月上旬までを『「宇宙の日」ふれあい月間』と定めています。

いまや火星や木星、土星に探査機が送り込まれ、これまで謎だった部分がどんどん解明され始めている時代。わたしが小学校低学年だったころは、まだ人類は月にも着陸しておらず、宇宙はミステリーに溢れていました。

1961年4月12日にソ連(当時)のユーリイ・ガガーリンが『ボストーク3KA-2』で世界初の有人宇宙飛行に成功。米ソによる宇宙開発競争が始まったことで、宇宙への関心が高まります。1969年のアームストロング船長の月着陸までの約8年間、1960年代の子供たちは、ほかの時代の子供に比べて宇宙に特別の関心があったのです。

このころ、宇宙を題材にした数多くのSF映画が作られ、少年少女向けの科学専門雑誌も数冊創刊されています。大判グラフ誌の表紙や口絵に掲載されたカラフルな空想図は、当時の子供たちの想像をかき立てました。

『科学大観』第19号(1960年/小松崎茂・画)に描かれた月世界探検の図です。アポロによる月着陸成功のおよそ10年も前に描かれたこの図版は、当時のアメリカの科学雑誌などに掲載されていた宇宙開発計画の予想図を参考にした根拠のあるものでしたが、実現したものとは相当異なっていました。現実には採用されなかったこのようなアイデア群は“パストフューチャー(過去の未来像)”と呼ばれ、わたしのようなレトロ好きのオッサンにとっては、たまらなく魅力的なものです。

こんな宇宙人の想像図も掲載されています。何ともおおらかな時代でした。

真面目な専門誌でさえ、こんな状況でしたから、今回ご紹介する駄菓子屋で売られていた“引きモノ”カード玩具『宇宙のミステリープロ』は、かなりとんでもないことになっていました。

科学雑誌から適当にパクッてきたような絵に、もっともらしい解説が付いています。

地味で真面目なカード(言っていることはよく分かりませんが)があるかと思えば、いきなり火星人のカードが出てきます。この火星人はイギリスのSF作家、H・G・ウェルズの小説『宇宙戦争』(1898年)によって一般化した、かなり古典的なタイプですね。

木星には生物はいない、と書いておきながら…

こんな木星人のカードがあったり(相変わらず何を言っているのかよく分かりません)。

これは宇宙間ロケットというより、ただのジェット機のように見えますが…。しかもわざわざ宇宙まで出掛けて核エネルギーを採らなくても。

いまから見れば単なる噴飯物のカードでしかありませんが、当時の子供たちはワクワクしながら買い求めたのでしょう。案外、宇宙のことなんて何も分からなかった時代の方が、ロマンがあってよかったのかもしれません。

(写真・文/おおこしたかのぶ)

 

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