「モテキ」のノリで水原希子をエロく撮ったラブコメ映画

映画評論家・秋本鉄次のシネマ道『奥田民生になりたいボーイと出会う男すべて狂わせるガール』

東宝配給/9月16日よりTOHOシネマズ新宿ほかで全国公開
監督/大根仁
出演/妻夫木聡、水原希子、天海佑希、松尾スズキほか

6年前の、ちょっとエッチなラブ・コメディーのヒット快作『モテキ』はやたら面白かったが、あのノリをもう一度、とばかりに、同じく大根監督がブチかました一発! しかし、題名が長いね。たった3文字だった『モテキ』に比べて、27文字。9倍もあるじゃないか。じゃあ『モテキ』より9倍面白い? そんなことはなかろう。

妻夫木聡が扮する、オシャレ雑誌に異動になって張り切る奥田民生の大ファンの編集者が、仕事で出会ったファッションプレスの小悪魔的美女(水原希子)に一目ぼれしてキリキリ舞いする一席で、長澤まさみに夢中になってジタバタする森山未来の図の『モテキ』に構造はよく似ている。ファッション業界が舞台だけに“業界あるある”がてんこ盛り。この世界に興味ある人は“予習”がてら見ておいた方がいい。もちろん、これがそのまんま、と勘違いしないように。

水原が繰り出す、オトコがイチコロパンチョスの必殺技は“突然、手を握る”、“男にお口ア~ンさせて食わせる”、“帰り際には投げキッス”などなど多岐にわたる。他意はなくともオトコはすぐにその気になる罪作りな言動の数々。いまやファッション・アイコンになりつつある水原希子が演じるので、説得力がいかにもありそう。

 

意外にもクライマックスは「大どんでん返し」

彼女、自慢の美脚&美尻を披露するが、会見で『発育促進のクリーム、毎日お尻に塗っています』とサービストークしていたっけ。それを有言実行させてヒップ狙いのショット多数。ただ彼女“超絶美人”という触れ込みは、いかがなものか。あの顔は、いわゆる“ファニーフェイス美人”でしょ。

大根仁監督は『「モテキ」の長澤まさみよりエロく撮る!』と豪語し、確かにベッドシーンもあり、エロカワな水原ぶりを引き出している。特に“キス魔”なのか、キスの嵐、唇をからませ、猫のようにディープキス、そして首筋、耳たぶ、胸元などオトコのあらゆるところに、じゅうたん爆撃並みにキス、KISS、キス! こりゃたまらんんな、と思いつつ、僕は断然『モテキ』の長澤まさみの方が好みだし、エロいと思ったのだが、貴方の判定はいかがか?

業界ノリのライトなお話と思いきや、クライマックスは大波乱、大惨劇(?)、大ドンデン返しが待っている。ラスト、冒頭にも登場する都内などに実在の立ち食いそばチェーン『吉そば』(主人公が愛用という設定)店内の仕切り板を通して、昔と今のオレが対峙するところも見どころ。これが何を意味するかは、見てのお楽しみ。

 

【あわせて読みたい】

静寂感の強い侵略を受ける異質映画「散歩する侵略者」

役所広司と福山雅治の火花散る裁判映画「三度目の殺人」 

謎の休業をしていたすみれのハリウッド・デビュー作「アメイジング・ジャーニー」 

※ バス旅二代目の田中要次が主演する奇怪SFコメディー映画「蠱毒」

※ 戦後の沖縄で米軍の圧政と闘った男のドキュメンタリー映画