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9月9日から10日にかけて放送された『FNS27時間テレビ にほんのれきし』(フジテレビ系)内で、『池上彰が見た!たけしと戦後ニッポン』の企画の際、ビートたけしが1994年に起こしたバイク事故について、その時の心境を改めて語った。
池上彰が、事故現場は緩やかなカーブで、事故を起こしにくい場所だったことを指摘し、「死んでも構わないと思っていたのではないか」と尋ねた。するとたけしは「そこが自分でも気になる。自分で(ぶつかりに)行った気がしないでもない。『行けー!』って、やったかもしれない」と自殺を否定しなかった。
さらに、高級車を所有しているにもかかわらず、あえてバイクを買って乗ったということも含めて、どこかで自殺を考えていたのではないかと語った。
超大物でも抱える仕事の悩み
当時のたけしは、お笑いの仕事はあまりなかったものの、『ビートたけしのTVタックル』(テレビ朝日系)や『世界まる見え!テレビ特捜部』(日本テレビ系)などでテレビ界では安定していた人気を誇っていた。
しかし、本人は仕事がうまくいっていないと感じており、一緒に飲んでいた友人から「最近、仕事の愚痴が多くなってきた」と指摘されたこともあったという。
一番精神的にこたえたのは、自身が監督を務めた『ソナチネ』がフランスではかなりの評価を得ていたにもかかわらず、日本では興行成績が思わしくなかったことだったそうだ。
たけしは、人から良くも悪くも評価されることは当然と思っていながらも、「かなりのお金を使わせて2週間で公開中止にさせた」という評判を聞き、ショックを受けたといい、この心境がのちのバイク事故につながった可能性がある。
今回の告白に対しツイッターでは、《ビートたけしですら評価やらに悩んでいたのだと思うと、僕も明日も頑張ろうと思った》や、《自殺だった可能性を否定しなかったのは驚いた》などの反響が寄せられている。
バイク事故からわずか3年後、映画『HANA-BI』が、第54回ヴェネツィア国際映画祭で金獅子賞を受賞することになる。バイク事故の経験がいまに生きているのかもしれない。
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