観光施設はすでに「中国化」している | 中国の北海道「乗っ取り作戦」全貌 ~その3~

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芝ざくらと羊蹄山(ニセコ) YsPhoto / PIXTA(ピクスタ)

その2からの続き)

2012年4月からの水資源保全条例施行後、中国国営企業や同系大会社が隠れ蓑を脱ぎ捨て、堂々と北海道に進出するようになった。合法的に水源地や森林、不動産を狙うだけではない。観光施設も買収している。今後、観光地の中国化が進み、利用するのは中国人がほとんどという事態になり、そこがチャイナタウン化するのは時間の問題だ。

2010年にはニセコの山田温泉ホテルが7億円で中国資本に買収され、2015年秋には衝撃的な事件が起きた。1000ヘクタール(東京ドーム213個分)を超える総合リゾート施設『星野リゾートトマム』(占冠村)が、中国の商業施設運営会社『上海豫園旅游商城』に約183億円で買収されたのだ。上海豫園の大株主は、上海の中国民営投資会社『復星集団』だ。復星集団は日本での不動産投資を積極的に進めているとされ、トマムの買収も復星集団の意向が働いたのは明らかだ。

道庁関係者によると、トマム地域は水資源保全地域に指定されておらず、リゾート施設内にある水源地も一緒に買収された。復星集団はトマム買収以前にも、隣のリゾート地『サホロリゾートエリア』(新得町)で宿泊施設を所有するフランスのリゾート施設運営会社『クラブメッド』を買収しており、サホロリゾートも実質、中国資本の傘下になっていた。一瞬のうちに、日本が誇るふたつの大リゾート地が中国資本の手中に落ちたのだ。

ニセコの山田温泉ホテルでは、大きなローマ字で「KOBAN」と書かれ、日本語表記は小さい。周辺を歩いているのは白人か中国人で、日本人を見掛ける方が珍しい。

「星野リゾートトマムは外国人従業員が多く、トマム地区の住民の4割を占めています。地元の女性と中国人男性のカップルが何組か誕生しており、これからも増える可能性は高い。政略結婚というと言い過ぎですが…」(地元紙記者)

経済不振にあえぐ北海道民にとって、ホテルが整備されて観光客が増えることに不満はない。地域の活性化にもつながるが、一方でチャイナタウン化を恐れる向きが存在し、痛し痒しというのが現実だ。

その4へ続く)

 

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