雪男かマンモスか!? 昭和の縁日で売られていた謎の「毛」

最近は「とんでもないものを買わされた!」ということがなくなりました。100円ショップに行けば、呆れるほど安くて高品質なものがズラリと並んでいます。

とんでもないものと言えば、1970年ごろ、まだ世の中のことなど何も知らない小学生だったときに、東京・駒込の富士神社のお祭りで見た『見せ物小屋』を忘れることができません。仮設小屋の周りに飾られた“蛇女”や“謎の人魚”などのおどろおどろしくもどこかエロチックな絵看板。安物のスピーカーからけたたましく鳴り響く呼び込みの声。

『オール見世物』(カルロス山崎/珍奇世界社)より

その何ともいかがわしい雰囲気に飲まれ、わずかな小遣いのなかから木戸銭を出し、おそるおそる小屋のなかに入ったものです。

実際に小屋のなかで見たものは、身体に障害がある高齢の女性がヘビの頭をかじり切る、という、絵に描かれたイメージとはかけ離れていましたが、何かとんでもないものを見てしまった、という実感だけはいつまでも残りました。

さて今回ご紹介するのは、この小さなビンに入った“毛”です。

十数年前にオークションサイトで見つけました。「雪男やマンモスの毛かもしれません」という触れ込みが書かれたコレを見た瞬間に好奇心が刺激され、高額にもかかわらず落札してしまいました。

しまった! 『見世物小屋』の記憶がよみがえってきましたが、時すでに遅し(笑)。

中身は恐らく熊などの野獣の毛だと思います。このタダ同然の獣の毛をお祭りや縁日でテキ屋が“雪男の毛”だとか“マンモスの毛”などとでっち上げて、数百円で売っていたものではないでしょうか。記録にないので実際はよく分かりません。

「ハイ、このビンに入った黒い毛はそんじょそこらでお目にかかれるものじゃない。何と、ヒマラヤの奥地に今も生存している雪男の毛をある極秘ルートを通じて入手したものだ! 驚き桃の木山椒の木、ブリキに狸に洗濯機! おっと、びっくりして小便ちびらないでおくれ…」などと映画『男はつらいよ』の寅さんのような調子で啖呵売をやっていたのでしょうか? 妄想が膨らみます。う~ん、聞いてみたい。

いま思えば、小学生のわたしが見世物小屋のなかに吸い込まれてしまったのは、お客を呼び込む口上の力だったのだと思います。

お客の方も雪男の毛なんかではないことは分かっていて、口上で楽しませてもらったお礼に気前よくお金を払っていたのでしょう。買って帰って自分の妻や子供に同じような口上を聞かせて驚かせてやろうと思ったかもしれません。

いまだったらこの毛をDNA鑑定すればイッパツで正体が分かりますが、それは野暮というものでしょう。

(写真・文/おおこしたかのぶ)

 

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