『ONE PIECE』に降りかかる火の粉…過去の炎上騒動を振り返る

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日本漫画界の頂点に君臨する国民的人気作品『ONE PIECE』。熱狂的なファンも数多くの存在し、数十年続いた現在も、その人気は衰えることを知らない。しかし、そんな同作も常に評判が良かった訳ではなく、時には炎上することも。今回は長寿作品「ONE PIECE」に降りかかった炎上の歴史を紐解いていこう。

作者・尾田栄一郎が引き起こした炎上をご存じだろうか。2018年に発売された「ONE PIECE」のコミックス89巻で尾田は、残留日本兵・横井庄一さんをネタにしたようなコメントを寄せた。これに読者から《不謹慎》《失礼》といった批判が相次ぎ、公式サイトには謝罪文が掲載される事態に発展した。

また、「ONE PIECE」に携わるスタッフが炎上したことも。2021年1月、『週刊少年ジャンプ』編集部は同作の1000話記念に伴う生配信を行った。そこで編集者のスマートフォンが映り込み、画面には海賊版サイトで〝成人向け漫画〟を読んだ痕跡が。結局、動画のアーカイブが残されることはなく、ネット上には批判が殺到。そして騒動が起こった翌月も批判は続き、「ONE PIECE」のスタッフ公式ツイッターがファンへ作品の感想を呼びかけるも、厳しい意見が多く寄せられていた。

『ONE PIECE』のズルい特典商法

そして「ONE PIECE」の炎上は、大ヒット作品『鬼滅の刃』をも巻き込むことに。2020年12月発売の23巻で最終巻を迎えた「鬼滅の刃」は、初版がシリーズ過去最多の395万部に達し、さらに『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』の入場者特典として用意された小冊子『煉獄零巻』は、450万部が配布終了になっていた。

かつて「ONE PIECE」はコミックス67巻の初版発行部数が405万部で日本記録を樹立したのだが、450万部の入場者特典すら終了する勢いの「鬼滅」が「ONE PIECE」に負けるはずがないと考える人も少なくなかったのである。そのためネット上では、《「鬼滅」最終巻の395万部は「ONE PIECE」に忖度している》などと批判を集めることに。この一件は「鬼滅妨害」として後世にも語り継がれるだろう。

どうも作品以外の物事に足を引っ張られているようにも見える「ONE PIECE」。ちなみに連載1000回記念に開催された『#ONEPIECE 1000LOGSフェア in JUMP SHOP&ONE PIECE 麦わらストア』でも、全1000種類のグッズをランダムで販売するという商法が原因で炎上していた。コンプリートするためには100万円はかかる特典グッズに、さすがのファンもウンザリしていたようだ。

とはいえ「ONE PIECE」は、物語や登場キャラに関する事柄で炎上したことはほとんどない。尾田はともかく、同作で儲けようとする悪い大人たちに罰が当たっているだけなのかもしれない…。

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