北朝鮮は11年前に「核保有国」だと認定されていた

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北朝鮮は世界から核保有国と認定されるのを望んでいるが、一向に実現しない。しかし、11年も前に核保有国だと認めた人物がいる。核エネルギーの平和利用を促進するために創設された国際原子力機関(IAEA)のモハメド・エルバラダイ事務局長(当時)だ。

「エルバラダイ氏は2006年8月31日、ウィーンのホーフブルク宮殿で開催された包括的核実験禁止条約(CTBT)の署名開始10周年記念シンポジウムで基調演説をしたのですが、このなかで『世界には現在9カ国の核保有国が存在する』と述べたのです。これには居並ぶ各国外交官たちも指を折りながら首をかしげたものでした」(国際ジャーナリスト)

当時、世界が認知していた核保有国は現在と変わらない。米英仏露中の国連安保常任理事国5カ国にインド、パキスタン、イスラエルを加えた8カ国だ。“9カ国”ということは、この8カ国に北朝鮮を加えたことになる。

 

インド、パキスタンと北朝鮮の違い

北朝鮮は9月3日に6回目の核(水爆)実験を強行した。爆発規模は160キロトンと推定され、この規模は広島に投下された原爆の10倍だ。韓国の原子力安全委員会は同月8日、北朝鮮の核実験から派生したと見られる微量の放射性物質キセノン133を検出したと発表し、「北は核兵器を保有している」という事実を追認した。だが、保有国と見なしたわけではない。

「実験回数ではインド3回、パキスタンは2回ですから、北朝鮮の6回というのは両国を大きく上回っています。それでも国際社会は、印パ両国を『核保有国』と受け止めていますが、北朝鮮を認知していません。さらに言えば、両国は核拡散防止条約(NPT)に加盟していません。北朝鮮も2003年1月にNPT体制から脱退している点では両国と条件は同じですが、世界からは無視されています」(同・ジャーナリスト)

印パ両国と北朝鮮とのあいだにある線引きは、印パ両国はまがりなりにも選挙が行われ政権交代があるが、北朝鮮は独裁国家であるということだ。独裁者は自分だけの判断で核ボタンを押すことができる。北朝鮮が核保有国として認められないのは、金正恩党委員長自身に問題があるからだ。

 

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