錦鯉『M-1』優勝はコウメ太夫のおかげ!? お笑い界の吉本一強を覆す事務所の存在

(C)file404 / Shutterstock

日本の〝お笑い〟といえば、誰もが『吉本興業』に所属している芸人のことを思い浮かべるだろう。ところが近年はそのイメージが覆されるように、ある芸能事務所の芸人が頭角を現している模様。それは大手の『松竹芸能』や『ワタナベエンターテインメント』でもなく、『ソニー・ミュージックアーティスツ』通称〝SMA〟の芸人たちだ。

「SMA」は奥田民生や木村カエラといった有名ミュージシャン、二階堂ふみや成田凌などの実力派俳優が多く所属しているイメージが強いかもしれない。しかし「SMA NEET Project」の名でお笑いの事業にも力を入れており、2021年12月19日に開催された『M-1グランプリ2021』で優勝を勝ち取った、お笑いコンビ『錦鯉』も「SMA」所属の芸人である。

彼らは同事務所初の「M-1」優勝者という功績だけでなく、約14年ぶりに「吉本」以外の芸人が優勝したことで話題に。お笑い界のイメージを覆した〝立役者〟といえるだろう。

飛ぶ鳥を落とす勢い!? お笑い界の新しい風「SMA」

また「SMA」には「錦鯉」以外にも、今やテレビで見ない日はない有名芸人が所属している。破天荒なキャラクターと独特の世界観で人気沸騰中のピン芸人・ハリウッドザコシショウ、お笑いコンビ『バイきんぐ』、裸芸でお馴染みのアキラ100%なども「SMA」だ。しかもザコシとアキラ100%は、それぞれ2016年と2017年の『R-1グランプリ』優勝者で、「バイきんぐ」は2012年の『キングオブコント』で優勝している。数々の賞レースを勝ち抜いてきた芸人の多さも、「SMA」がノリに乗っている理由なのかもしれない。

そして「SMA」で忘れてはならないのは、『エンタの神様』(日本テレビ系)で一時代を築き上げ、今ではさまざまなバラエティーで〝イジられ役〟として親しまれているピン芸人・コウメ太夫の存在。「一発屋」や「スベリ芸人」と言われる彼だが、「バイきんぐ」小峠英二は2021年5月20日放送の『アメトーーク!』(テレビ朝日系)で「うちの事務所はコウメさんがいるから今にいたる」と言い切るほどだ。

「SMA NEET Project」が発足された2004年、コウメはすでに事務所へ在籍しており、本番ではないネタ見せでも毎回〝白塗り〟して舞台衣装も着用してくる優等生だった模様。そして翌年2005年にスターの道を駆け上がっている。当時の様子をプロジェクトの立役者である平井精一氏は、エンタメマガジン『Cocotame』のインタビューにて《僕は〝来る者拒まず、去る者追わず〟でずっとやっていますが、「辞めるな」と引き留めたのは唯一、コウメ太夫だけですね》と振り返っていた。

コウメを筆頭に、「吉本」まみれのお笑い界を変えていく「SMA」の芸人たち。2022年以降のお笑いは、「SMA」一色に染まりきっているかもしれない。

【あわせて読みたい】