南洋の国「パラオ」に中国の魔の手が押し寄せる

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赤道に近い太平洋上のミクロネシア地域に位置し、大小500以上の島を抱える国『パラオ』が中国に席巻されようとしている。

「パラオは人口は約2万人強で、第1次世界大戦中に日本が占領し、1920年(大正9年)に日本の委任統治領となったのですが、第2次世界大戦後にアメリカの統治下に入り、1994年に共和国として独立しました。日本委任統治時代、パラオには南洋群島全体を管轄する南洋庁本庁が設置され、学校や病院、気象台、郵便局などが建設されたほか、道路などインフラも整備されました。1943年には、2万7444人の日本人が住んでいたこともあります。青地を背景に満月が描かれた国旗は、日の丸を参考にしたとの説があるほど親日的な国柄でも知られるのですが、現在は中国海洋進出の拠点と化しつつあります」(国際ジャーナリスト)

2015年、戦没者慰霊のためパラオ、ペリリュー島を訪問した天皇陛下らを、パラオ国民は熱烈に迎えた。このようにパラオ国民の日本に対する親近感はいまも根強く、世界一ともいわれるほどの親日ぶりだ。しかし、最も開発が進み、人口の大半を抱えるコロール島に進出している日本企業はほとんどない。観光客も減り続けており、日本の存在感は薄まりつつある。この小国が中国にとってどうして重要なのか、翻って日本が権益を失うことはどれだけダメージがあるのか。

 

中国の対米戦略上で最も重要な場所

「中国は対米戦略上、戦略展開の目標ラインを定めています。日本の九州を起点に、沖縄、台湾、フィリピン、ボルネオに至る『第1列島線』、そして小笠原からグアム、サイパン、パプアニューギニアに至るのが『第2列島線』です。従ってパラオは、この第2列島線の重要拠点のひとつであり、中国は対米戦略上でどうしても抑えておく必要があるのです」(同・ジャーナリスト)

5年前には中国の他国侵略の常とう手段である“武装漁民”(海上民兵)事件が起きた。パラオ海洋警察は、違法操業を隠れ蓑としたスパイ行為だとみているが、いまとなってはパラオ政府も“チャイナマネー”の前にジレンマを抱えるようになった。

パラオ同様に第2列島線に位置するサイパンは、中国資本によるカジノによって、中国本土からの客を招き込んでいる。金を落とし、そして人を送り込み、そこを“赤く”塗りつぶしていくのが中国の“ソフト侵略法”だ。

日本がもたもたしているうちに、パラオの“日の丸”は落日してしまう。

 

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