NHK・宇宙アニメに専門家が苦言も「フィクションなんだから…」

(C)Dean Drobot / Shutterstock

NHK Eテレで再放送されたアニメ『プラネテス』が、ツイッターのトレンドに浮上。元『JAXA』職員の「宇宙を甘く見ている」というツイートが拡散したことで、注目を集めたようだ。

同アニメは2003年にBS2で放送され、今年1月からEテレで再放送がスタート。宇宙開発によって生まれるゴミ〝スペースデブリ〟を回収する業者に焦点を当て、宇宙開発が進んだ未来が舞台のストーリーだ。

事の発端は、宇宙機エンジニアの野田篤司氏が1月25日に投稿した、《プラネテス 今まで見ていなかったので、義務的に再放送を3話目まで見ているのだが 何処が面白いんだ、このアニメ》というツイートだった。

野田氏は主人公の行動に違和感を抱いたと言い、《軌道力学的な考察が無茶苦茶なのは、まだ許せるが、主人公だあろう新人、もし私のところに配属されたら、速攻で、不適格者としてクビだ 宇宙特にEVAを甘く見すぎている》(原文ママ)、《死にたくなかったら、誰も、こう言うのはバディとして組みたくない まだ3話目までだが、4話目以降、劇的に面白くなるのか?》など、痛烈に批判した(現在は削除済み)。

フィクションだからこそ面白い

野田氏の主張に、ネット上では、

《なるほど、プロが見るといろいろおかしい部分があるんですね。参考になりました》
《NHKも雑だよなぁ。最初からプロの監修を受けて制作すればいいのに》
《子どもが見てるけど、間違った知識を植え付けたくない。今後の放送を見せるか悩んでる》
《私も初見は愛ちゃんへの拒否感がすごかったです。主人公に腹が立つという人もいますね》

などといったコメントが寄せられている。一方で、同作がフィクション作品ということを踏まえて

《自分が知ってる世界のことで納得がいかないのかもしれないけど、アニメもマンガもドラマも世の中そんなことばっかりでしょ。そもそもフィクションなんですけど》
《そこまで否定する意味が分からない。スターウォーズにも文句言ってそう》
《このアニメは宇宙を舞台にした人間物語なんだよね。そもそもゴミのことなんて本質じゃないんだけど》
《子どもたちが「桃太郎」の紙芝居を楽しく見ている中で、スレた大人が「人間の子どもが桃から生まれるわけないだろ」「鬼なんていないし」って言っているようなもんですよ。大人として恥ずかしい》
《フィクションなんだからそう目くじら立てなくても…。過剰反応しすぎでしょ》

などといった、野田氏の指摘に対する指摘も上がっている。

野田氏の指摘に原作者で漫画家の幸村誠は《えー、ちょっとひと言お断りを。全くもってプラネテスはフィクションでございまして、ウソばっかりでございます。ありもしない宇宙船、ありもしないデブリ、いもしない人物、未来が舞台のボクの空想でございます》とツイート。《その上で「面白くない」というご感想については、全くボクの力不足で申し訳ございません》と謝罪している。

どうやら多くのファンにとっては、作品のリアリティーよりも、物語の面白さの方が重要だったようだ。

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