高梨沙羅の“スーツ失格”に騒然…「公正なジャッジじゃない」と怒りの声も

高梨沙羅 

高梨沙羅 画/彩賀ゆう (C)まいじつ 

北京五輪から採用されたスキージャンプの新種目・混合団体で、高梨沙羅選手が〝スーツ規定違反〟で失格になった問題が波紋を広げている。

日本チームにとってはまさかの事態だった。先頭バッターとして登場した高梨選手はK点を越える103.0メートルのビッグジャンプを見せ、暫定2位に食い込んだ。

しかし、競技後の抜き打ち検査で〝スーツ規定違反〟を指摘され、失格となってしまった。高梨選手はスーツの両太もも周りが規定より2センチ大きかったという。高梨選手のまさかの失格理由に、ネット上では

《高梨選手の1回目失格は本当に残念でした。抜き打ち検査って何なんだ…》
《スーツをつまんで引っ張って測定。しかも1、2センチの世界。検査官次第でどうにでもなるような測定方法にも問題あるし、やるなら全員でしょ》
《高梨選手も各国の失格になった選手も十分にやったと思う。ただ今回のは明らかに公平、公正なジャッジが下されていないと思う》
《競技後に検査をするのなら、他選手よりより遠くに飛んだ選手を「抜き打ち」という名目で厳しく検査して「失格」にさせることも可能になってきますよね。このままでは、あまりにも選手がかわいそう》

など、検査方法やルールに不満の声が殺到している。

高梨沙羅選手の管理の甘さを指摘する声も…

一方で、W杯常連の高梨選手がこの後に及んで規定違反に問われたことに対し、一部からは、

《これって体重が変化したからじゃないの? きちんとコンディション管理してたのかな?》
《選手はルールが分かっているはずなんだから、自分でルールを遵守しているかどうかを確認するのは当然のこと。選手個人の尊厳を認めるから、チェックは競技後になるのじゃないのか》
《百戦錬磨の高梨でもこんなことあるんだな。ていうか筋肉が萎縮するのなんて最初から分かってたことだろうに》
《一般の人は「そんなこと急に言われても」と思うかもしれないけど、その競技をやっている選手やスタッフであれば当然知っていたはずの規定で、高梨選手がそうしているように受け入れるしかないよ》

など、管理の甘さを指摘する声も散見される。

「スーツは体のサイズにギリギリに合わせて作られているため、わずかな体重の変化でも規定より大きいと見なされます。今回、会場は標高1600メートルに位置し、氷点下約15度と極寒状態でした。コーチの『寒さ厳しかった分、うまくパンプアップ(一時的な筋肉増大)できなかった』という可能性が高そうです。実はスーツ規定違反は決して珍しいことではなく、過去のW杯で日本選手は何度も失格になっています」(スポーツライター)

長野オリンピックで団体ラージヒルおよび個人ラージヒルの2種目で金メダルを獲得した船木和喜氏は、「高梨選手の太腿部分が本当に2センチ、ルールより余裕があったのであれば、避けることができた事態。今回は目視でチェックすれば分かったのではないか」と苦言を呈している。

高梨選手は、W杯では18年のリレハンメル(ノルウェー)大会と21年のヒンツェンバッハ(オーストリア)大会で2度の失格を経験している。何はともあれ、今回の失敗を次につなげてもらいたいものだ…。

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