カズオ・イシグロ氏の「コンテンツ争奪戦」スタート

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2017年のノーベル文学賞を、長崎市生まれでイギリス人小説家のカズオ・イシグロ氏が受賞した。

代表作のひとつ『わたしを離さないで』は、昨年1~3月期にTBSで連続ドラマとして放送された。主演した女優の綾瀬はるかは「受賞おめでとうございます。ドラマで主人公を演じさせていただいた『わたしを離さないで』は、わたしにとっても宝物です」と祝福のコメントを寄せた。

この作品は、臓器提供のために生まれた若者たちの人間模様が描かれている。「作品をより深く理解したい」という綾瀬の思いを知ったイシグロ氏が「ぜひロンドンへいらっしゃい」と呼び掛け、現地での対談も実現した。通訳を介して行われた対談は、2時間の予定を大幅に超える4時間にわたったという。

「この作品は、いくつかの企画会社が動いていて、来年の映画化作品の候補に急浮上しています。小説はイギリスでミリオンセラーになり、日本でも50万部を超えました。海外では2010年にすでに映画化されています」(映画ライター)

 

ミュージシャンに憧れていたことも

イシグロ氏は1954年に長崎市で日本人の両親のあいだに生まれた。漢字表記は『石黒一雄』だ。父親の仕事の関係で一家でイギリスへ移住した。大学時代は昨年のノーベル文学賞受賞者のボブ・ディランに憧れて、ミュージシャンを夢見ていたという。ソーシャルワーカーをしながら執筆活動を開始し、最初の長編『遠い山なみの光』(1982年)、第2作『浮世の画家』(1986年)は日本を舞台にしている。「作家になったのは、自分の記憶の中の日本を、消える前に書いて保存するためだった」という。

また、ノーベル文学賞候補として毎年話題になる村上春樹氏と作風が近く、お互いに「最も好きな作家」と認め合うイシグロ氏は、小津安二郎監督の映画作品から強い影響を受けたと語っている。

「文学サークルでは、カズオ・イシグロ氏の作品の研究などがすでに始まっています。書店でも飛ぶように作品が売れています」(出版関係者)

日本出身の作家としては、1968年の川端康成、1994年の大江健三郎氏に次ぎ3人目、23年ぶりのノーベル文学賞受賞者となった。

「日本のテレビ局も緊急特番を組み、カズオ・イシグロ氏を呼んで受賞を祝う番組を立ち上げたい意向です」(放送作家)

エンターテインメント業界は“イシグロ・バブル”に沸いている。夜長の秋でもあることから、しばらくは多くの人が書店に寄ってカズオ・イシグロの小説を買い求めそうだ。

 

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