現在のロシアは過去の日本と同じ? 国際社会から孤立に疑問も

ウラジーミル・プーチン 

ウラジーミル・プーチン (C)Frederic Legrand – COMEO / Shutterstock

ウクライナへの侵攻により、西側諸国から批判されているロシア。世界各国から厳しい経済制裁などを受けているが、果たしてロシアばかりを非難することが正しいのだろうか。

ロシアはこれまでに、ウクライナの「EU」や「NATO(北大西洋条約機構)」加盟を警戒し、圧力を掛け続けてきた。

しかし、ウクライナはこれを無視。「NATO」に加盟するような素振りをみせ、米国やヨーロッパはウクライナを受け入れようとしていた。

ロシアにとって隣国のウクライナが「EU」や「NATO」に加盟すれば、ロシアは軍事的に厳しい状況に追い込まれることになる。これを阻止したいロシアの気持ちも分からなくはない。

しかし、「EU」や「NATO」は我関せずの姿勢を貫いているようだ。「EU」委員会のフォンデアライエン委員長は「ウクライナを歓迎する」という趣旨の発言を撤回し、「EUに歓迎するというのではなく、一般論としてのヨーロッパに歓迎するという意味だった」と弁解。はしごを外されたウクライナはヨーロッパからの軍事介入を受けず、今に至っているという見方もできるだろう。

西側諸国の日本国内において、ロシア=悪は大きな流れになっている。しかし、そのような状況に

《流れとして理解はできるが、あまりにもロシアが絶対悪として扱われてるのちょっと怖い》
《ロシアだけを極端に非難するのもなんか違うような気はする》
《現状ウクライナもロシアも絶対悪だから、どっちが正義なんてことは絶対に無い》
《ロシア絶対悪みたいな流れは嫌だな。プーチンが仕掛けたんだから悪いことに変わりない。でも、皆でロシア人やプーチンを責めすぎる流れも気持ち悪い》
《ロシアとウクライナの善悪という話になると、どちらにどの程度どういう正義があるかという話になるから、そこは情報を正して理性的に議論すべきだと思う。しかしやはり戦争というものに対しては、限り無く高いレベルでの否定をしていいと思う》
《今の空気感、映画に登場するドイツが軒並み絶対悪として描かれる作法と同様の流れを感じる。「ロシア絶対悪コンテンツ」の時代が来たんですかね》

などの意見も見受けられた。たしかにロシアが絶対悪という日本社会の風潮はいかがなものだろうか。

今のロシアは旧日本軍と同じ?

3月1日に行われた国連人権理事会では、ロシアのラブロフ外相がオンラインで演説を開始した際に、各国の外相が一斉に退席。また2日の国連総会では、ロシア政府に軍の即時撤退を求める決議を賛成多数で採択した。193加盟国のうち、141カ国が賛成するなど、ロシアは国際社会から孤立している印象を受ける。

そして現在のロシアを、過去に国際社会から孤立した日本と重ねる人も多く、

《真珠湾戦争に突入したときの日本と今のロシアがかぶる》
《満州国を否認された時ってこんな感じだったんだろうね。孤立した日本は真珠湾で米帝ぶん殴って最悪の道に進んだんだけどさ》
《ロシアが完全に絶対悪と化した今回のロシア・ウクライナ戦争、やっとることがマジで過去の本邦そのもの》
《ロシアメディアを締め出すと、それを理由にロシア国内でも西側の情報を遮断してプロパガンダ促進、制裁で疲弊し、西側への憎悪が高まって国民が結束、第二の真珠湾が誕生。あるいは分裂して内戦か》
《日本が真珠湾攻撃を仕掛けた時、世界的には日本が悪いみたいな風潮があった。実際は各国からの経済制裁等攻撃せざるを得ない状況に陥らされたから攻撃したっていう文献が残ってる。擁護するつもりはないけど、ロシアも同じような局面に陥っているのでは?》

といった意見も見受けられた。

正義の反対は悪ではなく、もう1つの正義という言葉もある。昨今は、物事を白か黒かでしか判断しない・できない風潮が広がっており、そのことこそが戦争を招く要因の1つになっているのだろう。戦争は絶対悪と言い切れるだろうが、1つの物語を一片だけから見るのは危険と言わざるを得ないだろう。

【あわせて読みたい】