小松菜奈『余命10年』大ヒットの裏で作品テーマに嘆きの声「余命系が多すぎ」

小松菜奈 

小松菜奈 (C)まいじつ 

小松菜奈と坂口健太郎によるW主演映画『余命10年』の公開が、3月4日より全国で始まった。初週の「映画ランキング」では好成績を残すも、ネット上では辛辣な声が続出している。

「余命10年」は、SNSを中心に〝切なすぎる〟と話題を呼んだ同名小説を原作にしたラブストーリー。

不治の病で余命10年を宣告された少女・高林茉莉(小松)と、かつての同級生・真部和人(坂口)の恋愛模様を描いた作品となっている。茉莉は自身の病から生きることと恋愛を諦めていたが、同窓会での和人との再会をきっかけに人を愛する喜びと死への恐怖を思い出していく。

公開直後の3月5日から6日にかけての「国内映画ランキング」(興行通信社調べ)にて、初登場2位と好スタートを記録。2日間で動員16万2000人、興収2億2100万円と高記録を叩き出しており、『映画ドラえもん のび太の宇宙小戦争(リトルスターウォーズ) 2021』に1位を渡してしまったものの、まずまずの滑り出しと言えるだろう。

恋愛、命、お涙頂戴…どうした日本映画

しかし「余命10年」は、記録のわりに、評判自体はまずまずといったところ。さんざん擦りつくされた恋愛と難病というテーマにウンザリしている人も多いようで、

《余命10年大ヒットか。邦画にウンザリとか聞くけど、みんな結構その典型みたいな難病もの好きよね》
《旬の俳優をキャスティングしてる邦画って、余命系が多すぎる気がする》
《余命で死ぬ運命の女と、その子に恋する男って邦画出てくるのほんとゲロ吐きそう。もうほんと余命で死ぬか弱い女の話いい加減やめて》
《邦画って恋人が死んだり死にそうだったり余命○年になったりするの多い。マジで多くない?》
《もう映画の「余命がもうなくて」系は余程興味が惹かれなければ、テレビでやっても観ないなってくらい多いテーマ》

などの酷評が殺到している。

「以前ある評論家が、〝余命系映画〟が流行る理由を分析していました。その人物によれば、同様のカテゴリーの原点は『ロミオとジュリエット』にあるとのこと。昔は階級などを理由に結ばれない男女を描くことが多かったのですが、現代社会ではなかなかピンとこない設定です。そのため難病で長く生きられない女性との恋愛という形で、現代版『ロミオとジュリエット』を表現している模様。いつの時代も、多くの人が〝報われない恋〟の物語を欲しているのかもしれませんね」(芸能ライター)

アニメと恋愛映画と命を扱った作品しか話題にならない本邦だが、ヒットするから仕方がないと割り切っていいのだろうか。この様子だと、エンタメ後進国と言われても文句は言えないだろう…。

【あわせて読みたい】