憲法九条があれば戦争は起こらない? 作家・甘糟りり子の持論に反論が続出

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作家の甘糟りり子氏が、3月11日に公開された『NEWSポストセブン』の記事で、ウクライナ危機について持論を展開。その中に、「憲法九条があれば戦争は起こらない」という主張が含まれており、ネット上で物議を醸している。

彼女による記事は『ウクライナ危機で「日本も軍隊を持つべき」論に作家・甘糟りり子さんの視点』というタイトル。その中で、ウクライナについての自身の認識や《断固、戦争反対。戦争は殺人だ。武力や暴力、恫喝によって他者を押さえつけることはあってはならない。相手が誰であれ、どんな理由があっても》と戦争反対を訴えている。

そして物議を醸しているのは、2ページ目に掲載された文。アメリカやNATO、そして日本がウクライナに協力できないものか、と綴ったブロックで《憲法で他国への侵略を禁じている日本は他国の戦争に加担することはできない》《では、日本も「自衛」隊ではなく、軍隊を持つべきなのか。私はやっぱり持つべきではないと考える。やられたらやり返す、しかしこちらからは手を出さないという姿勢は貫いた方がいいと思う。笑われてもいいけれど、もし仮にすべての国に憲法九条があれば戦争は起こらないはず。そういう世界は永遠に実現しないのだろうか》という自らの考えを明かすのだった。

甘糟りり子氏の意見に反論続出…

甘糟氏の持論に、ネット上からは

《理想、夢でしかない。現実逃避するな!》
《お花畑もいいところ。「やられたらやり返す」という方針は、わが国に被害が出てから初めて反撃に出るということだ。血が流れてからでないと防衛に移れないということがそもそもおかしい、という発想にいたらないのが怖いですよ》
《加害者への報復せずに被害者こそが美徳と感じていらっしゃるのですか?》
《軍隊がなかったら日本はすぐにロシアや中国に占領されているでしょう》
《常識やルールが無視されるのが征服欲の強い独裁国家です。あなたの家に傍若無人の強盗が入ってきたらどうしますか? 「遺憾の意」だけを延べますか? 平和希望だけでは自国は守れませんよ》

などといったように、ほとんどが反論の意見で埋め尽くされている。

甘糟氏は記事を、《SNSで、食糧が尽きてしまったロシア兵にパンと紅茶を与えるウクライナの市民の映像を見た。ロシア兵は泣き出していた。一人一人がこうして向き合えば殺し合いになるわけがない。こうした交流が「私」と「私」だけではなく『国』と『国』でできないのだろうか》と締め括っている。

戦争に賛成する人は、ごく一部を除いてほとんどいないだろう。しかし、平和について書かれた文章ですら争いが起きてしまうのは、何とも考えものだ。

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