今井美樹への屈辱的なセクハラを正当化? 映画監督の武勇伝が今になって大炎上

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映画監督の井筒和幸氏が新人時代の今井美樹に、撮影現場でセクハラまがいの指導を行なっていた疑惑が浮上し、ネット上で物議を醸している。コトの発端は、井筒監督が『日刊ゲンダイDIGITAL』の連載コラムに登場した記事を、とあるツイッター民が引用したことだった。

井筒監督は2020年9月26日配信の連載コラムに登場。外資系のネットドラマの現場で、主演の若い俳優が〝インティマシー・コーディネーター〟だという女性スタッフを連れてきて、作品に過剰な演出がないかチェックし、監督に注文を出していることについて言及。《そんなやつに横からあれこれ言ってもらわないと、〝バサ〟(乱れる場面)に挑めないような女優など、こっちは元から選ばないだろうが》とバッサリ切り捨てている。

さらに井筒監督は1986年の映画『犬死にせしも』で、当時新人だった今井に卑猥なシーンを要求したことを回顧。《新人の今井美樹嬢を丸裸にさせたり、船上で尻をまくって海にオシッコさせたり、キスを何十回と連続でテークしたりした。彼女は耐えに耐えて夢中で演じた。熱い時代だった。今はキスも嫌う女優もどきがいる。ご清潔なものだ》と、現代の俳優の在り方と比較するかのような発言を述べたのだった。

過去の発言が掘り返されて炎上…

直近では、榊英雄監督が映画へのキャスティングを持ち掛け、4人の女優に性的関係を強要した問題が物議を醸していたばかり。今回、井筒監督の発言がツイッター民に発掘されたことにより、ネット上では、

《いくら昔の事とはいえ、こういう人を絶滅させるのに、あとどれくらいの時間を要するのだろうか…》
《井筒監督のような人は実写ではなく、小説かアニメかマンガの世界で表現活動していただき、成人マーク付きで発表してもらいたい》
《どれほど名作を撮っていても、アップデートできてないんじゃダメ。井筒監督の作品って、差別される側の怒りみたいなものを表現する作品が結構多いのに、俳優は平気で差別するんだよなぁ…》
《こんなこと振り返って何になるんだろう。その俳優がそのシーンで脱落させた尊厳を表現の尊さに昇華できていたならこの一言は出せないはず》
《インティマシーコーディネーターを経験の浅い俳優の為に付けるものみたいな雑な説明して、とことん女性蔑視の駄文を繰り広げてたけど、本来はあれは男女関係なく役者の身体の安全が守られてリラックスして撮影に取り組めるように介入するものなのに、おかしいでしょ》

など、井筒監督を非難する声が殺到している。

「『犬死にせしもの』は今井にとって映画初出演作品で、当時、体当たりのシーンが話題になりました。今井はこの作品がトラウマになったのか、以降、出演作品に制限を設けています。当時の撮影現場ではある意味、当たり前の演出だったのかもしれませんが、井筒監督が2020年の時点になっても正当化しているのは、ちょっといただけませんね。作品を初めて知った若年層にとっては、かなりの衝撃だったようです」(映画ライター)

『Netflix』に代表される外資系の撮影現場では、〝インティマシー・コーディネーター〟だけでなく、拘束時間、休日、言葉遣いなどかなり細部にわたって事前の決まり事があり、スタッフや俳優はそのひとつひとつに目を通した上で契約書を取り交わし、撮影現場に入ることになっている。

井筒監督の記事は2年前のものだが、このような感覚では映画が作れない時代が、もうすでにやってきているようだ。

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