安田顕も追悼…『ロッキング・オン』創刊メンバー松村雄策さん死去に弔いの声

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音楽雑誌『ロッキング・オン』の創刊メンバーとして知られている松村雄策さんが、3月12日に肺がんで息を引き取った。70歳だった。

松村さんは、渋谷陽一氏や岩谷宏氏、橘川幸夫氏らとともに「ロッキング・オン」を創刊。

同誌は1972年に第1号が創刊され、80年代には日本でトップの音楽誌となった。

1975年には、インディーズという概念がなかった時代にイターナウ名義で、自主制作の『今がすべて』をリリース。昨今のインディーズ市場を作り上げた第一人者と言えるだろう。

そして松村さんを語る上で外せないのが、元ミュージシャンだった経歴を生かした的確な評論。「ロッキング・オン」の創刊から50年間、松村さんは休むことなく音楽への熱い想いをひたすらに綴ってきたのだ。

多くの人に“音楽”を教えた松村さん

晩年は闘病生活が続いていたとはいえ、突然の訃報に驚いている人も多いよう。ネット上には、

《10代の頃、彼の原稿を何度も読み、もうとっくに終わっていたビートルズやドアーズを知った。日直のロックの先生松村雄策さん、ありがとう》
《松村雄策氏の訃報を知って、わたしに音楽とは?という問いを教えてくれた人のことを思い出している》
《日本の音楽シーンに与えたあまりにも多大な影響に改めて敬意を表しますとともに、謹んでご冥福をお祈りいたします》
《松村さんの訃報を伝える記事を何本か読んだ。なんだろう、自然と涙が出る。何十年も彼の文章を読んできた。美文ではないが、それ故に心に響く》
《中学生の頃に買い始めて、15年ほど前まで20年強ロッキンオンを読み続けていた。ずっと一番好きな書き手は松村さんだった。長い間ありがとうございました。ご冥福をお祈りいたします》

といった声が上がっている。

また、俳優の安田顕もツイッターにて《もっと、文章を、拝読したかった。合掌。ご冥福をお祈りします》と追悼した。

そして、松村さんと共に創刊から「ロッキング・オン」を盛り上げてきた音楽評論家の渋谷陽一氏は自身のコラム『渋谷陽一の「社長はつらいよ」』で、《ロッキング・オンを50年続けられたのは松村がいたからだ。本当にありがとう。安らかに眠ってくれ》などとコメント。戦友と言える松村さんの死を悼んだ。

音楽シーンにはもちろん、文筆家にも多大な影響を与えた松村さん。彼の死を惜しむ声はしばらく止みそうにない。

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