“真珠湾”発言はなぜ炎上したのか? ウクライナを見放す人たちの思想

ウォロディミル・ゼレンスキー 

ウォロディミル・ゼレンスキー (C)Alexandros Michailidis / Shutterstock

3月16日に開催された米連邦議会にて、ウクライナのゼレンスキー大統領が、オンライン演説を行なった。そこでロシアによるウクライナ侵攻を〝真珠湾攻撃〟に例える一幕があり、一部のネットユーザーから怒りの声が噴出している。

ゼレンスキー大統領によるオンライン演説は、議員からスタンディングオベーションで迎えられるなど、異様なほどの歓迎ムードの中で行われた。ゼレンスキー大統領は「アメリカの力を必要としている」と前置きすると、「真珠湾攻撃を思い出してほしい。1941年12月7日、あのおぞましい朝のことを」「あなた方の国の空が攻撃してくる戦闘機で黒く染まった時のことを」と、ロシアによるウクライナ侵攻を真珠湾攻撃に例えて支援を訴えた。

さらに9.11同時多発テロを例に出し、「私たちはこの3週間、毎日毎晩同じことを経験している」と胸の内を明かす。その上で、ウクライナ上空での飛行禁止区域設定やロシアへのさらなる制裁などを求めた。

ゼレンスキー大統領の演説に対して、日本国内からは、

《ウクライナの見方が変わってしまう発言だ》
《外交が下手くそだということを露呈したと思う。外交がダメダメだから喧嘩になるんだわ》
《真珠湾攻撃とテロを一緒に扱うとかゼレンスキーも大概だな。国会オンライン演説はなしだろ》
《ウクライナ人は米演説でのゼレンスキー氏の真珠湾発言に言及してほしい。テロと横並びにされてはたまったものではない》
《ゼレンスキーも必死で窮状を訴える為に出た言葉かもしれないが真珠湾はあかんわ》
《同列に扱われるのはちょっと違うと思います。ウクライナを支持するのやめます》

などといった反発の声が上がっている。

現在のロシアは旧大日本帝国と同じ?

とはいえ、過去に日本が国際社会から孤立し、真珠湾攻撃を行なったことは紛れもない事実。ゼレンスキー大統領が、真珠湾攻撃を行なった日本に、現在のロシアを重ねてしまうのも仕方のないことだろう。

現在の国際秩序は、第二次世界大戦や冷戦後の思想に基づいており、大戦後の日本もそれを受け入れて国際社会に参加している。手のひらを返すようにウクライナを批判する人たちへ、

《真珠湾攻撃を例に出されたの日本人としては不快だけど、今のロシアは完全に大日本帝国ver2.0で例えとしては完璧だから何も言えねえ》
《当時の日本と今のロシアって面白いぐらい重なるんですよね。この件で反感を持つのはあまりにも幼稚》
《真珠湾攻撃を引き合いに出してうろたえてる人いるが、真珠湾攻撃は間違いなく侵略攻撃でしょ。しかも「交渉中に宣戦布告なしで攻撃」までまんまだぞ》
《「米国の皆さんも当たり前の日常が一瞬にして奪われる衝撃や恐怖や悲しみが分かりますよね?」の意味で9.11と共に触れただけなのに何故か発狂してる人が多くて驚き》
《ゼレンスキー大統領が真珠湾攻撃の話してキレてる日本人、お前らウクライナ侵攻したプーチン大統領とほとんど変わらんからな。都合の良いときだけ軍事侵攻を正当化するクズが日本人にも多いとかガッカリだわ》

といった反発の声も上がっている。

今回のオンライン演説でゼレンスキー大統領は、アメリカの議員にウクライナ侵攻の凄惨さを分かりやすく伝えたに過ぎないだろう。目くじらを立てるよりも、日本で彼が何を話すのかに注目すべきだ。

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