北朝鮮有事にアメリカが抱える「物量と予算」不安

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10月16日から始まった米韓海軍合同演習のテレビ報道を見る限り、にわかには信じ難いが、米海軍の物量は十分ではないという。アメリカ軍全体の装備は最低ラインとされる90%を何とか維持しているものの、例えば空軍ではB52からB1爆撃機への交替も円滑には行われておらず、陸軍でも武装ヘリが不足している。

アメリカはドナルド・トランプ大統領が就任して以来、ロシアからの脅威が深刻なポーランドとバルト三国へ米兵約4200名が増派され、9月にはアフガニスタンへ4500名余の追加派遣が行われてもいる。

「海外拠点は東アフリカのジブチ共和国、中東のバーレーン、UAE、インド洋のディエゴガルシア島、沖縄、グアム。加えて在日在韓米軍には10万人以上の陸海空軍兵士と海兵隊が常駐しています。海軍は最近、イージス駆逐艦『ジョン・S・マケイン』とミサイル駆逐艦『フィッツジェラルド』の事故で、米海軍第7艦隊司令官ジョセフ・アーコイン中将を解任するなど大きな痛手を被りました。修理には半年ほどかかり、結果的に兵力の欠員を招いています。加えて海軍の勤務は1年に限定されており、下船後は半年の休暇が設けられているため、このローテーションが常に兵力の補完を必要としているのです」(軍事ライター)

 

すでに5個旅団を海外展開中のアメリカ陸軍

アメリカ軍は冷戦後3分の1以下の規模に縮小されており、しかも冷戦後も15年間、絶えることなくアフガン、イラク戦で兵力を消耗している。年間6000億ドルの巨額な国防費を投入しながら戦果は思わしくない。こうしたアメリカ軍の疲労をじっと待っていたのが中国とロシアだ。

「アメリカ陸軍は海外で5個旅団が展開中ですから、例えば北朝鮮に回せる戦闘旅団は寄せ集めになる恐れがあります。大きな問題は、戦死者への慰謝料に加えて、戦争未亡人への年金保障、遺児がいれば大学卒業までの学費免除などが必要になりますから、戦争の度におびただしい予算が出費されていることです。アメリカ国防総省が北朝鮮との開戦に二の足を踏むのは、このような問題が横たわっているためです」(同・ライター)

現在アメリカは、イランと深刻な状態に陥っている影響で、世界最大の石油埋蔵国であるベネズエラの政情不安に介入するのではないかとも囁かれだした。世界最強のアメリカ軍でも中東、北朝鮮、ベネズエラの3カ所で武力行使する3正面作戦は事実上不可能だ。

今回の米韓海軍合同演習に恐れをなし、金正恩党委員長が核放棄してくれれば一番いいのだが。

 

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