「不倫降板」斉藤由貴の代役・南野陽子の初脱ぎ映画

作品目『寒椿』

東映/1992年
監督/降旗康男
出演/西田敏行、南野陽子、高嶋政宏ほか

50代男性医師との不倫問題発覚により、女優の斉藤由貴が出演を辞退していたNHKの来年の大河ドラマ『西郷(せご)どん』で、予定していた篤姫の教育係・幾島の代役に南野陽子が決定した、と発表された。斉藤と南野は1980年代の人気ドラマ『スケバン刑事』シリーズのヒロインの初代、二代目を務めただけに、その因縁に「絶妙の代役に興奮」とネットユーザーを中心に話題になっているという。

まあそれはともかくとして、“教育係”という役に、少なくとも斉藤よりは“恋多き女”ではなさそうな南野の方が、毅然たるイメージも含め適役ではないかと思う。その理由は、過去にふたりともインタビューしていて、南野の方が印象が良かった、という個人的な理由も加味しているけれど…。

その南野を取材したのが、今回紹介の『寒椿』公開当時、もう四半世紀も前、彼女もまだ20代半ばで“ナマイキ南野”といわれていたころだ。少しこちらも身構えていたが、実に真摯に取材に答えてくれていた。この映画の原作は『鬼龍院花子の生涯』、『陽暉楼』などのヒット作で知られる宮尾登美子。女優たちは体当たりの演技を要求される。昭和初期の土佐で、女衒の岩伍(西田敏行)の世話で身売りされる娘・貞子を演じた彼女は、力士崩れの侠客・仁王山(高嶋政宏)との愛に走る激情のヒロインを熱演していた。

 

アイドルが見せた本格演技

それまで、アイドル歌手、アイドル女優だった彼女の哀愁漂う本格演技にほれぼれしたものだ。おまけに濡れ場で初ヌードも披露し、完脱ぎしており、スレンダーな乳房も惜し気もなく晒し、文字通り一皮剥けた感じだった。そのあたりも、煙たがれるかな、と思いつつも遠慮なく聞いた。すると、彼女嫌な顔ひとつぜず、こちらをしっかり向いて「小さな胸の方が哀しみや切なさを感じられたんじゃないかと。豊満な胸でなくて良かった、と思いました」と包み隠さず、堂々と答えてくれてわが意を得たり、だった。

女優という仕事についても「別に世の中になくても困らない職業だと思うけど、だからこそ一生懸命やりたいです」と、実に冷静沈着に語ってくれて、ああ、この人は物事を俯瞰で見れる人だな、と感心し、いわゆる“ナマイキ南野”が全くの迷信なんだな、とこのとき、解った。

ネットでは、「もし南野までゴシップ降板したら、次は“スケバン”三代目の浅香唯の起用か?」と囁かれているとか。多分心配ご無用。南野はしっかりとこの代役を務めてくれそうだ。

(映画評論家・秋本鉄次)

 

 

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