昨年8月から、『放送倫理・番組向上機構(BPO)』で審議されていた「痛みを伴うことを笑いの対象にする」バラエティー番組。これまで長く議論が交わされていたが、4月15日にとうとうBPOが声明を発表した。
BPOは審議に当てはまる内容を含む罰ゲームやドッキリ企画について、《青少年が模倣し、いじめに発展する危険性も考えられる》との声明を発表。中高生のモニターから《出演者たちが自分たちの身内でパワハラ的なことを楽しんでいるように見える》など、不快感を示す意見が寄せられたと明かした。
この見解を発表するにいたった経緯として、BPOは《暴力シーンや痛みを伴うことを笑いの対象とする演出について番組制作者に引き続いて検討を要請するため》とコメントしている。
さらに具体的に、《刺激の強い薬品を付着させた下着を、若いお笑い芸人に着替えさせ、股間の刺激で痛がる様子を、他の出演者が笑う番組があった。被害者のお笑い芸人は、事前にある程度知らされていたのかもしれないが、痛みはリアルであり、周りの出演者は他人の痛みを嘲笑していた》という意見を紹介。これはおそらく『芸能人が本気で考えた!ドッキリGP』(フジテレビ系)のドッキリを指していると思われる。
BPOの見解を受けて、ネット上からは
《ドッキリGPって、露悪趣味の典型だもんな。精神的なドッキリを考えつかないし、仕掛けられないんだろうね》
《「ドッキリGP」は終了で構わないな。番組として面白くない》
《案の定BPOに言われててでしょうねって感じだな》
《ドッキリGPがBPOにかけられてるぽいけど、スースー下着よりも動物企画の方かけてくれよ》
といった声が寄せられており、視聴者も番組内容の見直しを求めていることがうかがえる。
『ドッキリGP』はBPO違反?
「『ドッキリGP』は名前の通り、ドッキリ企画で構成されているバラエティー番組。過激な内容の放送回が多く、これまで多くの抗議文がBPOに寄せられてきました。最近だと、背後から『コラ!』と怒鳴るという企画が時代錯誤だとして炎上。ほかにも犬や猫などの動物を使ったドッキリが、動物虐待だとたびたび物議を醸してきました」(芸能ライター)
ちなみにBPOの声明には《深い落とし穴に芸人を落とし(ここまではドッキリ番組の定番であるが)、その後最長で6時間そのまま放置するというドッキリ番組もあった。その穴から脱出するための試みが何回となく放映され、脱出に失敗して穴の中に落ちる芸人を、スタジオでビデオを視聴する他の出演者のうち何人かが、嘲笑するというものもあった》といった文言も。
こちらは『水曜日のダウンタウン』(TBS系)だと思われるが、
《水ダウが好調なことが気に入らん層が確実にいて潰しにかかってるんやな。しょーもな》
《水ダウのか…懸念しなくていいよ。これきっかけにパンサー尾形さんの評判上がってるわけで》
《水ダウの落とし穴ほぼ名指しだったけど、あんな神回だったのに…。パンサー尾形マジでカッコよかったし感度した!》
などといった意見もあり、こちらにはBPOに反発する声も少なくない。
真っ当な視聴者は当然ながら、番組が面白いかどうかという点しか見ていないのだろう。