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4月29日の『金曜ロードショー』(日本テレビ系)にて放送された、スタジオジブリ作品『魔女の宅急便』にまつわる裏設定が物議を醸している。
同作は13歳の新米魔女・キキが、両親のもとを離れ、見知らぬ土地で奮闘する姿を描いた心温まる物語。脚本・監督を宮崎駿が務め、世代を越えて愛され続ける大傑作ファンタジーだ。
ネット上で物議を醸しているのは、物語中盤からキキが、相棒の黒猫・ジジと会話できなくなってしまうこと。それまでキキとジジは人間と同じように言葉を交わしていたが、キキの魔女の力が弱まってからジジと喋れなくなり、物語終盤でキキが力を取り戻した後も、ジジとは喋れていない。
この原因について諸説あったが、今回は『金曜ロードショー』公式ツイッターが、鈴木敏夫プロデューサーの公式見解を発表した。
《再び飛ぶことができるようになったキキですが、ジジは喋らないままです。実はキキの魔女の力が弱くなってしまったからではなく、キキが新たな一歩を踏み出したからこそ、ジジが「ただの猫」に戻ったということなんです》
《このことについて、鈴木敏夫プロデューサーは次のように語っています。「(ジジは)ただのペットじゃなくて、もうひとりの自分なんですね。だからジジとの会話っていうのは、自分との対話なんです。ラストでジジとしゃべれなくなるというのは、分身がもういらなくなった、コリコの町でちゃんとやっていけるようになりました、という意味を持っているわけです」キキは、ジジという存在に頼らなくても、きちんとひとりでやっていける、立派な魔女へと成長していくんですね》
とのことだ。
再び飛ぶことができるようになった #キキ🧹ですが、#ジジ🐈⬛は喋らないままです。実はキキの魔女の力🔮が弱くなってしまったからではなく、キキが新たな一歩を踏み出したからこそ、ジジが「ただの猫」に戻ったということなんです。👉続く pic.twitter.com/6C8g8Ad0lc
— アンク@金曜ロードショー公式 (@kinro_ntv) April 29, 2022
矛盾だらけの見解に「おかしくね?」
つまり、ジジと喋れたことは最初からキキの妄想のようなもので、ジジはイマジナリーフレンドの一種ということらしい。だがそうなると、物語序盤でジジがキキの命令を受けてラジオをつけていること、ピクリとも動かなくなってぬいぐるみのフリをしていることなど辻褄が合わなくなる。
ネット上では鈴木氏の見解に
《それじゃ矛盾が生じる。宮崎駿が言うように魔力が成長し、より深いところで繋がるようになったというのはしっくりくる》
《独り言なら余計落ち込んでる時にジジと会話出来なくなるのおかしくね?》
《長時間ぬいぐるみのフリができる時点で普通のネコではない》
《妄想設定も出てるけど無理あるだろ》
《こういうネタばらしで面白い面白くないはあるんだろうけど、それおかしくね?ってなっちゃうのはやっぱ駄目だと思うよ》
といった反論が殺到している。
とはいえ、30年以上前の作品でこれだけ盛り上がることができるのが、作品の質の高さを物語っているだろう。