安い・美味い・炎上! 幾度となく繰り返してきた大手牛丼チェーンの炎上騒動

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常務取締役企画本部長の口から「生娘をシャブ漬け戦略」といった問題発言が飛び出し、大炎上している牛丼チェーン『吉野家』。これにより「吉野家」の評判はガタ落ちしたが、他の牛丼チェーンが炎上騒動を起こしていないという訳ではない。

牛丼を頼むと味噌汁が付いてくることでお馴染みの『松屋』は、商品リニューアルに関するトラブルが頻繁に起こっている。特に消費者からバッシングを受けたのは、『創業ビーフカレー』を定番メニューにする際の告知だ。

「松屋」は何の前触れもなくツイッターに《松屋から『オリジナルカレー』が消え!? 来週日曜日から松屋の『オリジナルカレー』順次全店終売となります》と「松屋からカレーがなくなる」ことをニオわせるようなツイートを投稿。人気メニューということもあり、動揺を隠せないユーザーも多かった。しかし、その翌日に《松屋『創業ビーフカレー』ついに定番化》と投稿。単なる商品のリニューアルを大げさに告知していたということで、多くの苦言が寄せられた。

また最近では、『厚切りトンテキ定食』に新ソースが追加される度に「薄くなっている」という意見も。確かに年々目視できるレベルで薄くなっており、「厚切りトンテキ定食」というよりも「薄切りトンテキ定食」という名前が相応しいボリュームに。商品に関心を抱かせるためには誇大表現も仕方ないのかもしれないが、大きな炎上騒動に発展する前に止めておいた方が身のためだろう。

牛丼チェーン店舗数日本一の「すき家」も例外ではないようで、今年4月に店舗で出された水のコップの中にゴキブリが混入していたという事件が発生。「すき家」は謝罪したが、コップにゴキブリが入った経緯は不明とコメントしていた。しかし、同時期に「生娘シャブ漬け」騒動が起きたため、こちらの話題は霞んだようにも思える。

恐らく、この事件が起こってしまったのは「すき家」の過酷な労働環境が原因かもしれない。過去に「すき家」はワンオペが常態化していることが判明して大炎上。以前よりも緩和したのかもしれないが、最近でもアルバイトが、店内で使用しているお玉を使った卑猥な動画をSNSに投稿して大きな問題に。相次ぐバイトテロは、労働環境への抗議なのかもしれない…。

「吉野家」が起こしてきた数々の失態…

「松屋」も「すき家」も炎上騒動を起こしているが、それを軽く凌駕しているのが「吉野家」だ。もはや説明不要の「生娘をシャブ漬け戦略」発言は瞬く間に拡散され、常務取締役企画本部長が解雇される事態にまで発展した。

「吉野家」は上層部の発言や対応が批判を集めるケースが非常に多い。『週刊少年ジャンプ』で連載されていた『魁!! 男塾』とコラボした際には、厳しすぎる条件が炎上。キャンペーン期間中に「吉野家」を訪れると〝名前入りのオリジナル丼〟が貰えるというものなのだが、なんと220回店舗に足を運ぶ必要があった。開催期間が260日ほどだったため、丼を入手するためには、ほぼ毎日牛丼漬けにならなければいけないだろう。

それでも条件を満たした人がいるのだが、後から希望通りの名前を入れてもらえないことが発覚。メールで苦言を呈すと、お客様相談室室長を名乗る人物から「法務局にご相談されてはいかがでしょうか」と喧嘩腰の返信が。これも瞬く間に炎上し、「吉野家」の企業体制に対して疑問の声が上がっていた。

また同じく「ジャンプ」で連載されていた『キン肉マン』にまつわる逸話も。1983年にアニメ化される際に「吉野家」から、「キン肉マンの食べる牛丼を吉野家にしてくれ」とオファーがあり、アニメ制作陣は了承。「キン肉マン」効果で、倒産後に再建途中だった「吉野家」を復活させることに成功した。しかし、この恩は仇で返されることになるのだった。

再建に貢献した「キン肉マン」の作者である漫画家コンビ・ゆでたまごの原作担当・嶋田隆司氏は「吉野家」から、高級牛丼の無料券3枚と、永久に無料で牛丼を食べられるというどんぶりと湯飲みセットをプレゼントされたそうだ。本当に牛丼が無料になるのか『トリビアの泉』(フジテレビ系)でロケに訪れたところ、なんと牛丼を無料で食べることはできなかった。この企画ついて嶋田氏は「トリビアの時も店員はゆでたまごが来るのは知っていて、あの周りの客もみんな吉野家の社員だったのです。つまり皆して私がタダで食べられないところを見ていた…悔しかったです、恩を仇で返されたとはこのことです」と暴露していた。

これまで多くの炎上騒動を起こしてきた牛丼チェーン。安くて美味いを成立させるには、何かを犠牲にしないといけない決まりでもあるのだろうか…。

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