“4630万円誤送金”男性の氏名公表…山口県阿武町の対応に広がる波紋

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山口県北部にある阿武町が、463世帯相当分の給付金を誤って1世帯に振り込み回収できなくなっている問題が、波紋を広げている。

事の発端は4月、町職員が誤って1世帯だけが記載された振込依頼書を銀行に渡し、町内で支給対象となっている463世帯分の給付金4630万円が24歳男性に誤って振り込まれたことだった。

町は5月12日、その世帯の男性を相手取り、全額の返還を求めて山口地裁萩支部に提訴。不当利得の返還請求訴訟を起こす議案を提出し、可決となった。弁護士費用や調査に掛かった実費も含めて、約5116万円の支払いを求めているという。

「男性は8日に町が返金を求めた際、一度は了承し金融機関の前まで来ましたが、その後『今日は手続きできない』と拒否。そのまま勤めていた会社を退職し、行方をくらましています。阿武町では定住の意思のある単身世帯に10万円を奨励金として支給。また、就農支援も行なっていて、男性は『空き家バンク』で移住、これらの制度を利用していたと思われます。もちろん公金をネコババすることに非難の声もありますが、ややこしいトラブルを起こした役所にも責任はあるでしょう。その後、役所は男性の住所と氏名を公開しました」(ネットニュースサイト編集者)

役所の対応を巡りさまざまな声

ネット上では、町が約500万円の調査費を請求していることや、8日に事態を把握するも、ほぼ放置と言っていい対応を取ったことに対し、

《擁護する気はないけど、元を辿れば役所のミスなんだから、仕方ないで済ませて、担当者の説諭と管理者の減俸で手打ちでいいと思う》
《返さないのは悪いし、請求するのは問題ないが、この調査費って何? 500万もかかるか? そもそも自分らのミスで発生した問題》
《振り込んだ当日に銀行からの連絡で誤りに気付いてるのに。単に口頭で「戻してください」と頼むだけで、その直後から引き出し始めたのを放置。行方不明になった今になってようやく提訴というとんでもなく緩慢な対応の役所にはかなりの責任があると思うよ》
《この男性は、返金するべきですよね。しかし、行政にも不手際があると思います。予算の2%の金額と聞きました。大きな金額ですから、大勢のチェックが必要ではあった思います》

などといった指摘が寄せられている。

氏名が公表され、現在は同姓同名の男性への風評被害が心配されている。この騒動はいったいどのような着地点を見せるのだろうか。

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