超大作アニメ映画『バブル』が爆死したワケは? 劇場鑑賞者からは絶賛の声

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4月28日から『Netflix』で配信され、5月13日から劇場でも公開された長編アニメーション映画『バブル』。監督や脚本、キャラクターデザイン、制作会社に至るまで、アニメ界のトップが集結した作品だが、やはりと言うべきか、興行収入は爆死してしまったようだ。

同作は、重力がなくなった東京を舞台に、男女の物語を描いた作品。先行配信がゴールデンウィークに重なったこともあり、「Netflix」では連日人気を博すことに。しかし、配信直後から、アニメ好きから批判の声が続出していた。

「同作は『進撃の巨人』や『DEATH NOTE』を手がけた荒木哲郎監督、『PSYCHO-PASS』や『魔法少女まどか☆マギカ』の脚本を担当した虚淵玄氏、『DEATH NOTE』や『バクマン。』のキャラクターデザインを担当した小畑健氏、映画『君の名は。』や『天気の子』などのプロデューサー・川村元気氏、アニメ『SPY×FAMILY』の『WIT STUDIO』が集結した超大作。しかし『国内映画ランキング』(興行通信社調べ)で、初登場9位という結果に。300館以上公開の長編アニメ映画としては大爆死と言っていいレベルでは」(映画ライター)

『バブル』の爆死は当然だった?

ただ、映画館で観た人と「Netflix」で観た人の意見が、正反対という奇妙な現象が巻き起こっているようだ。

「Netflix」配信直後はSNS上に、

《クソつまらなすぎて1時間半返してほしい。まじで見る価値ない》
《作画と動きはよかったです。以上。うん》
《バブル見たけど作画はすごい好きだった 内容はお察し》

などの批判が殺到していた。

しかし酷評に負けず、劇場へ足を運んだアニメファンからは

《想像以上に良い! 映画館で見たのがよかったのかな?》
《めちゃくちゃ好きな質感でした! でもこれは多分、映画館で見ないと魅力が8割くらい失われるやつ…。ネトフリで見た人も、もう一回映画館で見てほしい!》
《なんで「バブル」は先にネトフリで配信しちゃったんだよ! 映画館で見たらめっちゃよかったのに!》
《とにかく映像が美しいのよ! 躍動感のある競技シーンなんか、思わず体が反応しちゃうくらい! 映画館で見れてよかったー!》
《躍動感や迫力は映画館でしか味わえないですね! 細部までこだわり抜かれていて、良作でした》

といった好意的な感想が続出している。

「単純に『Netflix』での先行配信が悪手だったのでしょう。プロデューサーの川村氏は『君の名は。』を当てましたが、大コケ映画『打ち上げ花火、下から見るか? 横から見るか?』『未来のミライ』『竜とそばかすの姫』もプロデュースしているのです。恐らく制作陣は『Netflix』の口コミでバズらせて、劇場へ足を運んでもらう魂胆だったのでしょう。しかし、配信直後の酷評で全て水の泡に。声優陣の棒演技も話題になりましたが、それ以前の問題でしたね。アニメと一口に言っても劇場アニメとテレビアニメ、配信アニメでは作り方や見せ方が全然違います。株価が40%も下落した『Netflix』の〝バブル〟も弾けて当然です」(同ライター)

単純に映像界のプロフェッショナルを総動員するだけでは、傑作映画は生まれないのかもしれない。

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