『破産者マップ』復活で批判殺到! 官報がネット時代に追いついてない?

(C)Yuri Shevtsov / Shutterstock 

自己破産した人の氏名や住所をマップ上に示した『破産者マップ』が、6月20日までに復活していたことが分かり、ネット上で物議を醸している。

同マップは2019年に公開されたが、ネット上で猛批判を浴びて閉鎖。その後、22年にも破産者情報を掲載したサイトが出現したが、個人情報保護委員会が個人データの第三者への提供を停止等するよう命令を出していた。

しかし、また新たな破産者マップが登場。今回登場したマップは、2009年から2018年までの破産者の氏名と住所を掲載。マップ上に載ったピンをクリックすると表示される、破産者の住所と氏名を非表示にしたいなら6万円分、ピン自体を削除するには12万円分のビットコインの支払いを要求している。

またサイトには〝このウェブサイトの運営は海外で行われており、現地の法律が適用されます。基本的な問い合わせは受け付けておりません。支払い時に問題があった場合のみ対処いたします〟などの記載もあった。

「自己破産すると、事件番号、氏名、住所、手続き内容などの個人情報が官報に掲載されます。官報はインターネットでPDFデータにて無料閲覧することが可能ですが、直近30日分に限定されるため、数年前の記録を確認することはできません。今回の破産者マップは官報の内容を編集して掲載しているのでしょう。いくら公開されている情報とはいえ、いつでも簡単に見られるように可視化し、いわんや削除するために金を要求するというのですから悪質と言わざるを得ません。2019年に公開されたときは、当事者からの悲痛な声も上がっており、被害対策弁護団が結成されました。運営者はその後、ツイッター上で、《関係者に辛い思いをさせた》と謝罪し、サイトを閉鎖しています」(ITジャーナリスト)

官報のシステムが問題?

今回公開された破産者マップに対し、ネット上では

《インターネット時代に対応した法整備が必要だね》
《破産者にもいろいろです。詐欺の被害にあったが立件できず破産した人もいるし、コロナ渦の影響で破産した人や身内の借金をかぶっての破産もある。破産イコール脱落者と言うようなイメージを持っている人達が少なからず居る以上、こんなマップは出すべきではない。弱者をいたふるような真似はやめるべき》
《削除依頼に金請求するのは一種の恐喝だろ。広告オフとは訳が違う》
《そもそも官報の様に誰でも見れるのがいけない 目的が明確にない人間が興味本位で見れるシステムの問題だよ》

などの指摘が相次いでいる。

前回の破産者マップでは、削除するために住所、氏名、身分証明書の写し、破産に至った事情と破産後の生活などの情報を必要とし、猛批判を浴びたが、今回は多額のビットコインを要求しているだけに余計にタチが悪い。

マップに自身の情報がアップされている当事者にとっては、胃の痛くなる思いだろう。

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