アニメ『SPY×FAMILY』最終回は不完全燃焼? 盛り上がりの欠けるラストに賛否

アニメ『SPY×FAMILY』最終回は不完全燃焼? 盛り上がりの欠けるラストに賛否

『SPY×FAMILY』9巻(遠藤達哉/集英社)

6月25日放送の第12話『ペンギンパーク』にて、1クール目の最終回を迎えたアニメ『SPY×FAMILY』(テレビ東京ほか)。しかしクライマックスにふさわしくない展開だと考える視聴者もいるようで、ネット上では賛否の声が上がっていた。

※アニメ『SPY×FAMILY』最新話の内容に触れています

スパイの仕事が多忙なため、毎晩ヘトヘトになって帰宅するロイド。それを見た近隣住民から「家族をないがしろにしている」とウワサされたことで、いい家族だとアピールするため、みんなで水族館に行くことにする。

ところが水族館でも新たな任務が舞い込み、家族サービスと並行して密かにスパイの仕事をこなすことに。何とか任務を解決し、アーニャに大きなペンギンのぬいぐるみをプレゼントするのだった…。

1クール目最終回でアニメ化されたのは、メインストーリーではない“おまけ”的なエピソードだ。前半の話は、『週刊少年ジャンプ』の出張読み切りとして発表されたコミックス2巻の『EXTRA MISSION:1』。そして後半の話は、コミックス4巻の『SHORT MISSION:1』が原作となっていた。

いずれもコメディー要素が強めな物語であり、ほのぼのとした展開を好む視聴者からはおおむね好評だった。放送終了後、2クール目の放送も発表されたため、お祭りムードが漂っている。

視聴者のお祭りムードとは裏腹に…

とはいえ、最終回のエピソードはシリアスな要素が薄く、最終回としてはイマイチ盛り上がりに欠けるという評価も。ネット上では、《個人的に物語が今一盛り上がらなかった》《何気にこれで1クール目終了なんですね…》《映像やアクションの豪華さに比べて、お話自体があまり捻りもなく微妙》《1クール目の締めとして盛り上がりはそんなだった》と厳しめの意見も見受けられる。

「SPY×FAMILY」は設定や世界観こそハードだが、物語としてはハートフルなコメディーがメイン。原作を知っている人には違和感はないだろうが、アニメから入った初見の視聴者の中には、肩透かしを食らってしまう人もいたのだろう。

そうした誤解が生じるのは、必ずしも“無知”のためではない。12話放送直後には、第2クール目のティザーPVが公開されたのだが、その雰囲気は1クール目から一変。「爆破テロを阻止せよ」のテロップと共に、コメディー感のかけらもない映像によって、ロイド一家が奮闘する姿が描かれている。

2クール目がどんな内容になるかはまだお楽しみの段階だが、あまりシリアス推しにすると、実物とのギャップにガッカリする人が出てしまうかもしれない…。

文=大獄貴司
写真=まいじつエンタ