長年にわたって、男性ゲーマーの独壇場と化していたeスポーツシーン。女性の活躍する機会がほとんどないどころか、炎上騒動の“汚名”が広まっていたのがここ数年の実情だ。そんな悲惨な状況を、人気FPS『VALORANT』が革命へと導くかもしれない。
女性FPSプロの躍進に期待
「VALORANT」を運営する『Riot Games』は、今年11月にドイツ・ベルリンで『Game Changers Championship』を開催することを発表。これは女性プレイヤーを対象とした初の世界大会であり、世界各地のリージョンからトーナメントが行われるという。
日本でも、さっそく今夏に予選を兼ねた国内大会「VALORANT Game Changers」が行われる予定。この発表を受け、世界3位の実績をもつ強豪チーム『ZETA DIVISION』が女性部門を発足し、プレイヤーの募集を行っていた。
⚡ZETA DIVISION – VALORANT WOMEN PLAYERS
この度VALORANT Game Changersへ参画するため、女性プレイヤーの募集を行います。
我こそはと思う腕っぷしプレイヤーの応募をお待ちしております💪📝https://t.co/183qZpt3dM#VALORANT #ZETAWIN pic.twitter.com/1tLnujDoD1
— ZETA DIVISION (@zetadivision) June 15, 2022
ほかにも『REJECT』や『DetonatioN Gaming』、『FENNEL』といった有名チームが女性プレイヤーを募集。すでに「FENNEL」は日韓の混合チームを結成しており、「ZETA DIVISION」も日本人女性で初の最高ランク「レディアント」にソロで到達した実績を持つsuzuを獲得している。
「VALORANT」シーンに吹き込んだ新たな風に、ネット上では《FPSの競技シーンで活躍してる女性って見たことないから、マジで見てみたい》《女性からも新たなスターがじゃんじゃん生まれてくるの想像するとワクワクが止まらない》《楽しみだなー! 女性チームもいずれ世界に羽ばたいて欲しい!》と大きな注目が集まっている。
悪目立ちしがちな女性ゲーマー
今回のニュースは、女性の活躍機会が極端に少ないeスポーツシーンにおいてとびきりの朗報と言えるだろう。ここ数年、世間では女性ゲーマーの炎上騒動が目立っていただけに、なおさら期待せざるを得ない。
今年2月には、日本人2人目の女性プロゲーマーとして知られる「たぬかな」が大炎上。もともと暴言や失言が目立つ人物ではあったが、配信上で「170cmないと正直、人権ないんで」などと低身長男性に対する過激発言を行ったことで、激しいバッシングを受けた。結果として、所属チームから契約解除を言い渡され、事実上プロゲーマーの肩書きを失うことに。
さらに今年5月には、元格闘ゲームのプロ選手であり、現在はストリーマーとして活動している「はつめ」が騒動の火種に。「VALORANT」の世界大会をめぐるネットニュースの記事で、世界一のFPSと言われる『Counter-Strike: Global Offensive』をオワコン扱い。事実誤認が含まれていたこともあり、FPSゲーマーからの批判が殺到した。
ただでさえ人口が少ないはずが、なにかと不名誉な出来事が相次ぐ女性ゲーマーたち。まっとうに実力によって注目を浴びるスター選手が出てくることを期待したいところだ。
文=「まいじつエンタ」編集部
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