対人要素のあるオンラインゲームでは、大抵実力を競い合うためのランクマッチが実装されているもの。人気バトルロイヤルゲーム『Apex Legends』でもそれは変わらないが、さまざまな点で不満を集めている。とくに運営のとある発言が、火に油を注いでしまったようだ。
ランクマッチの難易度が大幅上昇
5月11日に始まったシーズン13から、「Apex」のランクマッチは大幅な変更が加えられた。降格制度の導入に加えて、試合に参加するための消費ポイントが増量。全体的にはキルよりも順位を重視するゲーム性に変わっており、上級者向けのシビアなデザインとなっている。
そんな中、同作のデザインディレクターを務めるEvan Nikolich氏が、海外メディア『The Loadout』のインタビューに回答。それによると、開発側はプレイヤーが競技シーンのプロになるための道筋として、ランクマッチを設計したいのだという。
ランクマッチの難易度が上がったのも、そうした事情が背景にあるのだろう。しかしカジュアルにゲームを楽しみたい人にとっては、とんだ迷惑だったらしく、《プロになるためにランクやってるんじゃないんだけど》《こっちは遊びでやってるんだよ!!》《一般プレイヤーの事を一体なんだと思ってるんやろな》といったブーイングの嵐が巻き起こっている。
そもそも「Apex」がヒットした最大の要因は、カジュアルなゲーム性にあったはず。プレイヤーのほとんどがライトゲーマーであることを思えば、ランクマッチの仕様変更は悪手だったようにも感じてしまう。
プロが呆れ果てるランクマッチの現状
なにより問題なのは、現在のランクマッチが他でもないプロゲーマーたちの怒りを買っている点だろう。とくにアジア圏で顕著らしいが、高ランク帯のマッチでは不正ツールを使ったチートやグリッチ、チーミングなどが横行してしまっている。
一時期はチート対策が進んでいると言われていたが、ここ最近は完全に“チーター”の勢いが復活。あまりにも悲惨な現状で、まともにプレイできないことすら珍しくない。ツイッター上では有名ストリーマーや競技プロなどが、「#AddHideoutsAPAC」のハッシュタグで運営スタッフへの決死の呼びかけを行っていた。
しかも現在のランクマッチは序盤で敗北した際のポイント消失が大きいため、チーターとの遭遇によって致命的な影響を受けてしまう。すでに今シーズンのスプリット1は終了したが、プレデターランク常連のプレイヤーがチーターの被害に遭い、ランク維持に失敗したというケースも。
ランクマッチをプロ志望のプレイヤー向けに作るのなら、高ランク帯がまともにプレイできない現状は矛盾の極み。競技シーンを重視したいなら、まずは他にやるべきことがあるのではないだろうか…。
文=「まいじつエンタ」編集部
【画像】
Khosro / PIXTA