『おぼっちゃまくん』海外で大ブームも…日本に“敵”が増えすぎた小林よしのり

『おぼっちゃまくん』海外で大ブームも…日本に“敵”が増えすぎた小林よしのり

『おぼっちゃまくん』海外で大ブームも…日本に“敵”が増えすぎた小林よしのり (C)PIXTA

1980年代に人気を博した小林よしのりのギャグ漫画『おぼっちゃまくん』。30年以上が経過した今、なぜかインド全土で空前の大ブームが巻き起こっているらしい。その反対に、国内では作者の言動が《ゴーマンすぎる》として批判を浴びているが…。

インドで再ブレイクする一方で…

「おぼっちゃまくん」は、御坊財閥の跡取りである御坊茶魔が繰り広げるドタバタ喜劇。『月刊コロコロコミック』で連載された当初から、子どもたちから絶大な人気があった作品だが、現在インドでは「テレビ朝日」が版権をもつアニメ版が放送されているという。

写真週刊誌『FLASH』の公式サイト『Smart FLASH』が7月18日に公開した記事では、そんなインド国内の状況についてレポート。ヒンドゥー語やタミル語などに吹き替えられた「おぼっちゃまくん」が人気を博していることを伝えていた。

インドは現在、14億1,200万人の人口を誇る国。日本との人口差を考えても、きわめてスケールが大きいヒットと言えるだろう。ちなみにインドでは以前から『クレヨンしんちゃん』も親しまれているのだが、品性をかなぐり捨てるような攻めたギャグアニメが、国民に求められているのかもしれない。

ともあれ、そんなバブルの最中、日本国内では一転して作者に逆風が吹いている。きっかけになったのは安倍晋三元首相の銃撃事件。いつもながらの“よしりん節”によって、批判を浴びてしまっていた。

コロナ騒動によってさらなる人気者に

小林は『週刊ポスト』7月29日号にて、日本全土を震撼させた銃撃事件について持論を展開。曰く、犯人がマスクをしていたことで、不審な表情が読み取れず、SPが警戒できない要因となったという。

独自の視点をもった考察ではあるが、“反マスク”的な主張だったことで、ネット上では《ただの論点ずらし》《どこまでズレていくのだろう、この方は?》などと猛反発を招いていた。

そもそも小林はコロナ禍の初期から、「コロナはただの風邪」論の主張者。それ自体はともかくとして、ネット配信でワクチンの接種券を破り捨てたりと、見方によっては過激なパフォーマンスによって物議を醸していた。「コロナくん」として、社会から除け者にされる哀れなコロナという擬人化キャラを生んだことも注目を浴びた。

自分の信念に正直であることは昔から変わらないのだが、コロナ禍の言論人としてはきわめて珍しいスタンスなので、賛否がまっぷたつに分かれている。

世界中で愛される漫画家になる未来もあったのかもしれないが、今のところは真逆の状況。誰もが「ともだちんこ!」で打ち解けられる世界ならよかったのだが…。

文=「まいじつエンタ」編集部

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Khosro / PIXTA