松本人志　画／彩賀ゆう （C）まいじつ　

NPO法人『日本吃音協会』が8月1日、公式ツイッターを更新。バラエティー番組『水曜日のダウンタウン』を放送しているTBSに抗議文を送ったことを明かした。

協会はツイッターで《【報告】先日、NPO法人日本吃音協会はTBSに対して7月6日（水）放映「水曜日のダウンタウン」での放送内容に対する抗議文を送りました。件の放送内容は、吃音者に対する差別と偏見を助長するものであり、再発防止と番組制作の基準・指針の見直しを要求しました》と発表した。

先月6日放送の『水ダウ』では、『説教中の「帰れ！」額面通り受け取るわけにはいかない説』を放送。〝インたけ〟こと地下芸人のインタレスティングたけしが、先輩芸人のチャンス大城から説教されるというドッキリを放送していた。

インたけは言葉が滑らかに出ず、吃音のような喋り方だったのだが、スタジオの『霜降り明星』粗品が「変な奴や」とコメント。また、ナレーションでも「さすがはチャンスの後輩 パンチの効いた男」とイジっていた。

この内容に放送当時、

《吃音っぽいのをバカにして笑う感じは最悪》
《吃音症ってだけで癖の強い人間っていうのは可哀想》
《吃音当事者として今日の水ダウは不快だった》
《吃音をイジるのはさすがに度を越えてる》

といった苦言が殺到していたのだ。

『日本吃音協会』の抗議にさまざまな声

「吃音協会」はこの内容に苦言を呈したワケだが、今月2日、インたけが自身のツイッターに《またテレビジョン出たい!!》と投稿。必ずしも協会の抗議に賛同しているわけではないことが明らかになった。

「『吃音協会』に注目が集まったことで、公式サイトに《120万人。この数字は日本人の吃音当事者のおおよその総数です。『生まれてこなければよかった。』 この言葉は120万人の人が一度は思った言葉です》と記載されていたことが問題視されました。この〝生まれてこなければよかった〟という文言が大きな話題となり、抗議も多かったのか、8月3日に削除されています」（ネットニュース編集）

一連の騒動はネット上ですぐさま拡散され、

《吃音で生まれて来なければよかったなんて一度も思ったことないぞ。勝手に人数に入れるな》
《従兄弟が吃音だったから吃音自体にどうとも思ってないけど、教会側の認識が悲しい》
《難しい問題。吃音→笑われてるの図に見えてしまうと、他の吃音の方への影響も考えないといけなくなるんだろうね。吃音に限らず、特性がある方がテレビに出る度に抗議してたら、逆にその方々の足を引っ張ることになるんじゃないかなとも思う》
《「つまりこの芸人さんの芸で笑っちゃいけないってことね！」とかキレてるやついるけどさあ…インタレスティングたけしさんの笑いどころは「吃音」しかないんか…？ 武器がたった1本しか持ってない芸人だったら、出番無くなっても自然だと思う》
《その芸人さんにとっては、吃音を笑われることはウェルカムなのでしょうが、ここで、他の吃音症の人がそれを見て（聞いて）どう思うか、ということも、考えねばならないと思います》
《世間に吃音が広まるきっかけになったのがこれとは…協会側も差別や偏見を無くしたいっていう正義感でやったんだろけどさ…にしてもさすがに生まれてこなけれよかったなんて当事者全員が思ってるわけねぇよ…》

など、さまざまな意見が寄せられていた。

『R-1』王者のピン芸人・三浦マイルドは今回の騒動について、ツイッターで《日本吃音協会さん、どのシーンが問題なのか明確に指摘してほしい。でないと、他の番組でも、インタレスティングたけしを起用するの「何かややこしくなるからやめとこうか」となってしまう》と苦言を呈していた。

同協会では吃音当事者の偏見、差別防止などのために、毎月1000円から5000円の寄付を募っている。賛否あるが、今回の騒動で吃音症について考える機会になったことは間違いなさそうだ。