『呪術廻戦』はアウト? 古塔つみ活動再開でパクリ・オマージュ論争が再燃

『呪術廻戦』1巻(芥見下々 / 集英社) 

『呪術廻戦』1巻(芥見下々 / 集英社)

〝トレパク疑惑〟に始まり、〝性別詐称疑惑〟や〝未成年女性への自撮り要求疑惑〟など数々の疑惑にまみれて炎上した、人気イラストレーターの古塔つみ氏が8月8日、自身のインスタグラムを再開。それに伴い〝パクリ論争〟のあった、大人気漫画『呪術廻戦』が再炎上している。

古塔氏は音楽ユニット『YOASOBI』のキービジュアルを手掛ける他、『ポケモン』など多くの企業とコラボするなど人気イラストレーターとして活躍。しかし、今年2月、作品の1つが有名写真家の作品と酷似している事が発覚し、その後も数々のスキャンダルが次々に明らかになり、批判の嵐に晒されていた。

今回、古塔氏は今年1月ぶりに自身のインスタグラムを更新。アナログ手描きを中心に、新しい試みを始めていることを説明し、今後はデジタルシミュレーションが増える旨を報告した。

何食わぬ顔でSNSを再開した古塔氏に対し、ネット上では依然としてバッシングの嵐が吹き荒れている。一方、古塔氏の件と、〝パクリ論争〟のあった「呪術廻戦」をなぜか関連付けてしまう漫画ファンもいるようで、

《この人がダメで呪術廻戦はなんでいいのかわからない》
《呪術のうずまきはオマージュと言いながら炎上した後、元ネタ作者さんに許して貰ったって見てガッカリした》
《呪術の作者、絵や構図以外にも能力設定キャラ造形セリフ等もパクリまくりで古塔共々底抜けてる感ある》
《呪術は打ち切りになることはないだろうなぁ。映画やらグッズやら多方面に大損害になるしファンは多いから強行突破ってかんじ?》
《呪術廻戦もダメだと思う。伊藤潤二なんて超メジャーどころから堂々とパクってメジャー誌に載せるなんて》

などといったように、騒ぎ立てている。

パロディー要素の多い『呪術廻戦』が再炎上

「『呪術廻戦』は、もともとジャンプマンガを始めとしたパロディーが大量に仕込まれていることで有名。その中で特に話題になっていたのが、昨年1月発売の『週刊少年ジャンプ』に掲載された第134話『渋谷事変(51)』の〝うずまき〟という技でした。これは、ホラーマンガの巨匠・伊藤潤二による『うずまき』の一場面が元ネタになっていましたが、ビジュアルまでそっくりだったため、物議を醸すことに。これは掲載後〝事後承諾〟として使用許可を得たようでしたが、それもまた議論の的となりました」(漫画ライター)

しかし、古塔氏はどうだろうか。作品の表現における主題の大部分を元写真やイラストなどからトレースしていた疑惑が浮上するも、沈黙を貫き、自身の作品を1枚数万円で販売している。さらに、ネット上で複数の疑惑作品が発掘されるも、謝罪文では「写真そのものをトレースしたことはない」「クライアントワークは全てオリジナル作品」と明言し、疑惑を否定していた。

「『呪術』は確かに他作品と似通った部分はあるかもしれないですが、それは一部分に過ぎません。他に例を挙げるならば、手塚治虫の『ジャングル大帝』にディズニーがインスピレーションを受けていることは有名な話ですし、逆に手塚がディズニー作品に影響を受けたのも有名な話です。また『鬼滅の刃』や『エヴァンゲリオン』などの作品は、既存の漫画や特撮作品を再構築した作品とも言えます。よって、『呪術廻戦』をパクリだと糾弾することは、今までの漫画の歴史を否定することにもなります。一方で古塔氏は漫画表現の一部分ではなく、表現のすべてがパクリ・トレースなのです。百歩譲って個人的に発表するならまだしも、商業作品でやってしまったから問題なのです」(同ライター)

手描きでどれだけの画才を見せる事ができるのか。今後、古塔氏が発表する作品に注目したい。

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