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岩波書店が発刊している『広辞苑』が《台湾は中国の省の1つ》と記載していることに対し、複数の在日台湾関係諸団体が抗議をおこなった。また、台湾のメディアもこのことを報道したことから、台湾の人々も抗議の声を挙げている。
台湾および在日団体が“全くの誤り”としている広辞苑の記載は、以下の3点だ。
- 「台湾」の項目における《1945年日本の敗戦によって中国に復帰し、49年国民党政権がここに移った》という記述
- 中国地図の中に、台湾が中華人民共和国の第26の省として明記されていること
- 「日中共同声明」の項目における《日本は、台湾が中華人民共和国に帰属することを実質的に認めた》という記述
そしてこの3つの誤りは、中国の政治的宣伝と関係があり、日本国民を誤導し台湾侵略という中国の野心を正当化するものだと主張している。
日本は帰属を認めていない
「確かに蒋介石の国民党政権は台湾に入ってきましたが、中国に復帰はしていません。ですから台湾は、中国のひとつの省ではありません。そして主張の3項目目、日本は台湾が中華人民共和国に帰属することを実質的に認めていません。日本は、台湾が中華人民共和国に帰属するという中国の主張に対して、日本側は『その立場を十分理解し尊重する』としただけで『帰属を認めた』わけではないのです。明らかに岩波書店は中国・中南海の意図を忖度していますね」(日本人台湾独立運動家)
目下、台湾民進党政権は、中国共産党が台湾国民党と1992年に“ひとつの中国”で合意したとされる『九二共識』をでっち上げだとしている。これは、李登輝元総統を始め台湾独立派は、中国政府からの圧力を受け入れないという“不変の原則”だ。
ちなみに中国共産党機関紙・人民日報系のメディア『環球時報』は、《台湾団体の発する“雑音”に、岩波書店が惑わされるようなことはないはずだ。さもなくば、中国側の強い反発を招くだろう》とくぎを刺しているが、これこそ語るに落ちるだろう。日本は中国と違い、言論の自由を侵したり弾圧したりしない。
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