東京五輪“恥”の上塗り! 河瀬直美監督BPO違反もどこ吹く風「罪深い大会」

河瀬直美 

河瀬直美 (C)Denis Makarenko / Shutterstock

映画監督の河瀬直美氏が9月10日、『河瀬直美が見つめた東京五輪』(NHK BS1)に重大な放送倫理違反があった件について、所属事務所の公式サイトで声明文を発表した。これに、ネット上で疑問の声が相次いでいる。

『NHK BS1スペシャル番組に関するBPO放送倫理検証委員会の意見書発表について』と題した声明文には、《昨日、表題にもあります通り、BPOよりNHK BS1スペシャルの番組に関する意見書が発表されました。公共放送であるという自覚と意識を再確認し、大きな影響力があるテレビ放送というものに携わるあらゆる立場の方々が、より真摯に番組制作をして頂くことを、切に願います》と綴られている。

2021年12月26日に放送された同番組は、東京五輪の公式記録映画を監督した河瀬氏を中心にしたドキュメンタリー。年配の男性を取材した場面で、「五輪反対デモに参加しているという男性」「実はお金をもらって動員されていると打ち明けた」という字幕を付けて伝えたが、男性は五輪反対デモには関心がなく行ったこともないと明言。字幕の内容が不確かだったことが分かった。

今回の放送倫理違反について、NHKは「指摘を真摯に受け止めます。取材や制作のあらゆる段階で真実に迫ろうとする放送の基本的な姿勢を再確認し、現在進めている再発防止策を着実に実行して、視聴者のみなさまの信頼に応えられる番組を取材・制作してまいります」とコメントを発表した。

河瀬直美氏に「良いイメージが全く無い」

しかし、番組内容については河瀬氏も事前に把握しているはず。NHKに対して「より真摯に番組制作をして頂くことを、切に願います」など、どこか〝他人事〟のような態度に、ネット上では

《自分の監督した作品の過失が「教え子」と「NHK」のせい。「監督」という言葉の意味が崩壊して聞こえる》
《NHKの字幕に問題があったのはもちろんだが、河瀬は何故、五輪デモに関係の無いこの男性をわざわざ取材したんだ?》
《河瀬監督や、NHKの制作現場だけの判断だったのかが問題。政権と近い存在だった上層部の意思はどうだったのか、NHKは調べるべきだと思う》
《この先、日本の子孫にこの時代の歴史の大恥がずっと記録として残るんだよね。そして取り消すことも永久にできない。とても罪深い大会になったな》
《先日の河瀬監督の発した声明文が、あまりにも他人事、もっと言えば「自分も迷惑を被った」みたいな内容だったのが違和感たっぷりでした》
《NHKも、オリンピックも、河瀬さんも良いイメージが全く無い。やっちゃつたことも、言い訳も、その後の対応も納得できない。結局自分のイメージと違う結果が出てきた時に捻じ曲げても良いと思って制作を進めているのが見える》

など、大ブーイングが巻き起こっている。

「問題のシーンは河瀬氏の教え子とされる人物が撮影していますが、彼女自身がまったく関与していなかったというのは無理があります。そもそも河瀬氏のこだわりの強さはかなりのもので、その結果、撮影スタッフに暴力を振るうなど、パワハラが常態化していることが明らかになっています。いまさら、全責任がNHKにあるかのような物言いは、責任転嫁しているとしか思えません」(テレビ番組制作関係者)

より真摯に番組制作に取り組まなければならないのは、河瀬氏も同じではないだろうか。

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